グーグルやフェイスブック(FB)など米IT企業が手掛けるデータ管理のクラウドや人工知能(AI)、会員制交流サイト(SNS)を活用する動きが日本企業に急速に広がっている。海外展開や業務効率化が狙いだ。【共同】

 任天堂は昨年12月に約150カ国に同時配信したゲームアプリ「スーパーマリオラン」で、グーグルのクラウドを導入。利用者の急増でシステムに不具合が発生することを懸念したためだ。配信開始4日で4千万ダウンロードを突破した大ヒット作のインフラを支えた。

 サービスが複雑で人手不足が問題になっているコンビニ業界。6月にグーグルの事業説明会に招かれたファミリーマートの沢田貴司社長は「新しいテクノロジーを会社にインストールする必要がある」と強調。おにぎりの発注業務にAIを導入し、効率化を図る取り組みに着手したと明らかにした。

 アマゾン・コムが5~6月に東京都内で開いたクラウドやAIの事業説明会には4日間で1万9千人超が訪れ、会場は熱気に包まれた。ヤンマー(大阪)や日本経済新聞社(東京)の技術者が登壇し、自動運転トラクターや電子新聞にアマゾンのクラウドを採用していると紹介した。

 インフラ企業にも新しい取り組みが広がる。JR東日本は11月に利用者からの運賃などの問い合わせ対応にIBMのAI型システム「ワトソン」を導入する予定だ。電話内容をAIが自動的に判断し、JRのオペレーターに回答する内容の候補を提示する仕組みだ。

 新興企業も利用に積極的だ。衣類や雑貨を個人がネット上で売買する「フリマアプリ」を運用するメルカリ(東京)。米国に進出する際にアプリのインストールを促すため、FBや写真共有アプリ「インスタグラム」を使って宣伝した。

 FBは5月から企業向けSNS「ワークプレイス」の日本での提供を正式に始めた。FBの企業版で、社内の情報伝達や意思決定の迅速化が期待できるといい、コーヒーチェーンの米スターバックスのほか、転職サイト運営のビズリーチ(東京)などが導入済みだ。FB日本法人の長谷川晋代表は「働き方改革に取り組む日本に貢献できる」と話している。

 ■クラウド クラウドコンピューティングの略語。ソフトウエアやデータベースをネットワーク経由で呼び出して利用するコンピューターの活用法。自前で巨大なシステムを持つ必要がなくなり、初期投資や管理費を減らせる。利用者のアクセス急増といったデータ量の増加にも対応しやすい。IT各社は人工知能(AI)機能をクラウドと連携させ、大量のデータを分析し人間の判断を手助けするといった仕組みを構築。幅広い業種での活用が期待されている。

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