JA全中の次期会長に内定し、インタビューに答えるJA和歌山中央会の中家徹会長=5日、和歌山市

 全国農業協同組合中央会(JA全中)は5日、JA和歌山中央会の中家徹会長(67)が次期会長に内定したと発表した。先月から選挙を実施していた。中家氏は政府が推進する農協改革に関して急進的な論議をけん制する慎重派。JAグループのかじ取り役に就任することで、安倍政権との距離感が広がりそうだ。

 中家氏は農協改革について、共同通信のインタビューに対し「おかしいものはおかしいと、毅然(きぜん)とした態度で向き合っていく。是々非々の姿勢で臨む」と述べた。

 会長選はJA東京中央会の須藤正敏会長(69)との一騎打ちだった。全国の地域農協の組合長ら代議員による投票の結果、得票数は中家氏152票、須藤氏88票と大差がついた。8月10日の臨時総会で新体制が発足する。新会長の任期は2020年8月までの3年間。

 須藤氏は安倍政権と協調してきた現会長の奥野長衛氏に近い立場とされており、中家氏が政権の農協改革に不満を持つ代議員の受け皿になったとみられる。須藤氏は東京都内での記者会見で「東京の者に地方の農業は分からないとの考えが多くの代議員の中にあった」と敗因を分析した。

 中家氏は欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉に関して「推移を見守るしかないが、酪農家を守るのはJAの使命だ」と述べた。【共同】

農業・農協改革 安倍政権は農業の成長産業化を促し、農家の所得向上を目指すため、農地の規模拡大や輸出促進を打ち出している。コメの生産調整(減反)の約半世紀ぶりの廃止を決めた。農協を巡っては、グループの司令塔、全国農業協同組合中央会(JA全中)は2019年9月末までに現在の特別民間法人から一般社団法人に移行。地域農協への監査権限をなくし、各農協の経営の自由度を高める。金融事業の分離などが課題に挙がっている。

■中家氏、政府の改革不満

 全国農業協同組合中央会(JA全中)の次期会長に内定したJA和歌山中央会の中家徹会長(67)が5日、和歌山市で共同通信のインタビューに応じ「JA全中を結集の軸として一枚岩の組織構築を目指したい」と、JAグループの組織や発言力の強化に意欲を示した。

 中家氏は政府による近年の農協改革について「JAは民間組織なのに(国から)何でそこまで言われなくてはいけないのだという思いだった」と不満を示した。

 一方で、農業の成長力強化などの改革に関しては「政府、与党とは同じ山の頂上を目指して登っている。農業振興や改革はJAだけで頑張ってもできない」と述べ、一定の協調を図る意向を明らかにした。

 前回に続いて2度目の立候補での会長当選については「重責を担った責任感と期待に応えなくては、という思いを痛感している。現場の声を聞いていきたい」と話した。【共同】

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