窯から取り出した作品の仕上がりを入念に確認する井上萬二さん。「新しい年も希望を持って努力したい」と語る=有田町の井上萬二窯

■「希望持ち努力する」

 白磁の人間国宝(重要無形文化財保持者)井上萬二さん(87)の仕事始めとなる初窯出しが9日、有田町の同窯であった。昨年末に焼き上げた作品を取り出し、1点ずつ手にとって入念に確認。新しい年のスタートに創作への意欲を燃やした。

 作品は端正なつぼや花器など約200点。長男の康徳さん(58)、孫の祐希さん(28)の作品とともに窯から慎重に取り出し、「加飾をしない白磁はわずかな異物も許されない」と鋭い目つきで仕上がり具合を確かめた。作品は25日から高知県で開く個展などで披露する。

 井上さんは昨年の有田焼創業400年に合わせて町が全国の百貨店で開いた「有田の魅力展」で、会期中の最初から最後まで会場にとどまるなど、有田焼のPRに尽力した。「最高に忙しい1年。数日しか有田にいなかった月もあるほど」と振り返り、「有田焼の新しい時代への手応えを感じた」と話した。

 昨年まで20年かけて取り組んだ400点の新作づくりも終了。「新しい目標に向かい、希望を持って努力したい」と抱負を語った。今年の目標として親子三代展や海外での個展とともに「有田で頑張っている陶工たちを国内外で紹介する手伝いをしたい」と、有田焼の発信と将来を見据えた活動を誓った。

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