原発事故時の避難所視察、初めて臨んだ人事議会の様子など、活動を報告する議員のブログやフェイスブック

 「半農半漁」ならぬ「半農半議」。20年前、議会と議員の実態を追うキャンペーン連載「平成議会解体新書」で、そんな熟語を用いた。農業県ゆえ、農業を“本業”とする議員が多いことに加え、議員報酬だけでは生活できない市町村議員の内情をルポした。

 状況は変わっていないようだ。先日本紙で、議員活動の傍ら週3日、学習塾の講師として働く34歳の小城市議の日常を報じていた。議員報酬は月37万4千円。別途、期末手当があり、その多寡は人によりけりかもしれないが、議員活動に専念するには厳しいという。

 兼業の是非はおくとして、会社員や公務員が身を賭して飛び込むには情熱とともに決断を要する。よって「なり手不足」を招き、最近は首長選挙だけでなく議員選挙でも無投票が目立ち始めた。

 そんな悪循環の中で、せめて引退後の生活不安を解消したいと、議員の厚生年金加入を要望する声が上がっている。佐賀県議会と県内16市町議会を含め全国の地方議会の半数以上が法整備を求める意見書を可決している。ただ、掛け金の半分が公費負担となるため、国民の理解はそう容易ではない。

 厳しさを増す財政事情、政務活動費の不正使用など議員と公費を巡る不祥事、さらには議員の日常活動が一般市民には見えてこない現状が横たわる。

 本紙「私の紙面批評」(2月8日付)で県行政書士会副会長が議員の活動、とりわけ議会閉会中の活動をもっと報道してほしいと要望していた。公権力を監視する新聞の使命、役割を再認識しつつ、SNSをはじめインターネットメディアが普及した今、議員自らによる情報発信の必要性を感じる。

 唐津市議会では議員数人がフェイスブックやブログで定期的に活動を報告している。記者にとってもチェックは日常業務だ。

 ベテラン議員は玄海原発事故時の避難場所を知らない市民が多いという記事を読み、唐津市から多久市まで自らの避難場所を確認しに行った話を記していた。議員の晴れ舞台である一般質問の陰には、こうした地道な活動がある。

 先の選挙で初当選した議員は委員会構成を決めた臨時議会を報告し、委員会について「生徒会の保健委員とか美化委員みたいなもので、議会の議案質疑とは別に、議会に提出された議案などを少人数の議員でより細かくチェックする組織」と説明していた。議会を身近に感じた人もいるだろう。

 大阪市の学校法人による国有地取得問題では政治家による口利きが取りざたされている。議員活動への信頼をおとしめる行為である。他山の石としつつ、議員活動を透明化し、議員のなり手を育てていくためにも、報告会を含め議員個々人による日常的な情報発信が欠かせない。(吉木正彦)

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