歴史学者らが幕末佐賀藩について意見を交わした明治維新150年記念シンポジウム=佐賀市のアバンセ

■「日本元気づける羅針盤に」

 2018年の明治維新150年へ向けた記念シンポジウム「幕末維新さがのチカラ」(佐賀県主催)が12日、佐賀市のアバンセで開かれた。西洋列強からの侵略を防ごうと、近代化にいち早く取り組んだ佐賀藩10代藩主鍋島直正の藩政改革をテーマに意見を交わした。国内最先端の科学技術を持つ雄藩に改革させた偉業を振り返り、停滞する日本経済を元気づける未来への羅針盤とすることを提言した。

 「武士の家計簿」で知られる歴史学者の磯田道史さんが講演し、殖産興業で財政を立て直し、学問重視の人材育成を徹底した藩政改革を解説した。西洋の科学技術を導入し、国内で最も早く鉄の精錬所「反射炉」を実用化させたことにも触れた。

 シンポでは経済の専門家や山口祥義知事ら5人が加わり、それぞれの視点で意見を述べた。経済評論家の岡田晃さんは直正に関して「成長戦略を立て技術力を高め、時代をリードする点は地方創生のモデルになる」と評価した。反射炉をテーマにした著作がある歴史小説家の植松三十里さんは「技術を極めようとする佐賀人の特性を生かして成功させた。今の人に勇気を与える」と説いた。

 佐賀藩の先進性に学びアジアとのビジネス、サービス業で「佐賀モデル」を構築する提言もあった。コーディネーターを務めた佐賀新聞社の中尾清一郎社長は「過去の栄光を振り返るだけでなく、歴史に学びながら調和を大切にする社会をつくっていこう」とまとめた。シンポは約300人が聴講した。

 (シンポの概要は後日、詳報します)

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