澤野善文佐賀新聞編集局長(右)のインタビューに答える石倉秀郷県議会議長=県議会棟

■政務活動費、運用再検討も

 佐賀県議会議長に就任した石倉秀郷氏(67)=4期・杵島郡=が佐賀新聞社のインタビューに答え、政務活動費について、昨年の見直しから1年間の運用結果に対する意見を踏まえて必要があれば再検討する可能性を示唆した。佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画に関して、議会として地域に意見聴取に出向くことも「(議員から)要請があれば考えないといけない」と答えた。

 政務活動費に関しては、昨年5月から運用基準を見直した。飲食を伴う懇談会費を「研修会や意見交換会と一体性・連続性がある」ものに限定して4年ぶりに復活させ、領収書が不要な活動諸費は県外分を廃止して県内分も減額した。石倉議長は、6月に昨年度の実績が公表されることを挙げて「いろんな意見が出てくると思うので、それを注視して、(再検討の)必要性があるという話になれば検討したい」と語った。

 国政絡みの重要課題では、オスプレイ配備計画に関して、漁業者を中心に国への不信感が強い状況を挙げて「オスプレイと諫早湾干拓事業を切り離して議論できないかと考えるところだが、当事者にとっては同じ国だということになる」と議論の難しさを指摘した。その上で中立の立場の議会が意見聴取に出向く考えを問われると「(議員から)そういう申し出があれば、取り組んでいく必要性はあると思う」と述べた。

 石倉議長は4月の臨時県議会で選出。6月定例議会を前に今後の議会運営の考えなどを聞いた。

■石倉議長一問一答「県民のため最優先」国絡みの課題、慎重に協議を

 佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画など重要課題や議会改革への考えを、澤野善文佐賀新聞社編集局長が聞いた。

 -まずは議長としての抱負を。

 石倉 よく言っているのが、われわれ(議員)は県民から雇われた営業マン。足で稼いで県に対ししっかりともの申して、県民にとってプラスになるようなことをやっていくということがわれわれに課された課題と考えている。

 -諫早湾干拓事業の開門問題について、長崎地裁判決の控訴断念で農水省は開門しない方向にかじを切ったと受け止めている。一義的には県や漁業団体がどう対応するかということになるが、議会として今後の対応をどう考えているのか。

 石倉 閉め切った干拓堤防を壊せと言っているわけではない。(有明海再生の)対策を講じるための調査をやってほしいだけの話だ。干拓地の営農者の生活を奪うつもりはない。減塩措置などの(開門の)対策はあるはずだ。

 県も議会も有明海再生と開門調査は切り離して考えてもらいたいとの考えだ。控訴断念に抗議する県議会の決議を農水省に持っていった時、対応した副大臣に政治家として対応してほしいとお願いした。そのために現場を見てほしいと。

 -オスプレイ配備計画に関しては、もうすぐ計画打診から3年になる。判断の時期について議会としてどう考えるのか。

 石倉 先日、4地区で地権者説明会があったが、反対意見が強かったと聞いている。今回の諫干の問題など国への不信の声が出たとのことだ。オスプレイと諫干の問題は切り離して議論できないかと考えるところだが、当事者にしてみると全部、国絡みではないかということだ。こうしたことを受け止めつつ、皆さんと誤解のないような協議をすることが大事だろう。

 -中立的な立場の議会が(意見聴取に)出向くことは考えていないか。

 石倉 個々の議員が自主的に地域で話を聞いたり説明したりしており、それを踏まえて定例会や特別委員会、常任委員会で議論を戦わせてもらう。(議員から)そういう申し出があれば取り組んでいく必要性はあると思う。

 -山口知事と議会の向き合い方について、今後どのように臨んでいくのか。

 石倉 山口県政に必要なものは決断。ちまたで聞くのは決断できるのかという声で、議会の中にも同じ思いの方もいるのではないか。国策絡みの課題は原発再稼働について判断したが、残任期間の中でどうするのか。一方で国策の課題にとらわれて足元の県政の課題もしっかりしていただかないといけないということは意見していく。

 -市町では議会基本条例を制定するなどの動きがある。議会改革についてどう取り組む考えか。

 石倉 県の社会情勢を見ながら条例が必要との機運が出てきて、議員側も地域を回って「必要だ」となれば、協議の場を設けて取り組まなければならないと考える。

 -政務活動費について、県議会では昨年見直したが、さらに踏み込んだ対応を求める声もある。

 石倉 昨年の見直しから1年経過して6月に(昨年度分が)公表されると思うが、いろんな意見が出てくると思う。そこを注視しながら、改めて取り組む必要があるという話になれば議会改革検討委を設けることもあり得る。

 ■いしくら・ひでさと 1949年生まれ、67歳。佐賀農高卒。建設会社役員を経て、2003年4月の県議選で初当選。現在4期目。議会運営委員会委員長のほか、15年から1年間、副議長を務めた。杵島郡江北町。

このエントリーをはてなブックマークに追加