■生魚に寄生、激しい腹痛

 魚介類を生のまま食べ、寄生虫「アニサキス」による食中毒になったとの被害報告が増えていることが厚生労働省への取材で分かった。2007年の6件から、16年は20倍超の124件に増加。激しい腹痛などの症状が出るといい、厚労省は、加熱や冷凍を求め、生で食べる前には目視で確認するなどの対策を呼び掛けている。佐賀は8件。東京、神奈川の21、北海道、愛知、福岡の10に次ぐ件数だった。

 アニサキスは寄生虫の一種で、幼虫がサバやカツオ、サケ、イカ、サンマなどに寄生。魚介類が死ぬと内臓から筋肉に移動する。幼虫は長さ2~3センチ、幅0・5~1ミリくらいで、白い糸のように見えるのが特徴だ。

 寄生した魚は十分に加熱するか、マイナス20度以下で24時間以上冷凍すれば問題ないが、刺し身など生で食べた場合は人の胃壁や腸壁をアニサキスが刺すなどして、みぞおちの激しい痛みや腹膜炎症状を引き起こす。酢で締めたり、しょうゆを付けたりしても予防効果はないという。

 専門家によると、放置しても人の体内では3~4日程度で死ぬが、痛みが激しいため、医師の診断を受け、内視鏡により取り除くことが推奨されるという。

 厚労省は報告件数の増加について、13年から食中毒の発生統計で「アニサキスによる食中毒」の集計を始めたため実態把握が進んだとし、担当者は「被害が多い状況が確認できた」と話す。

 国立感染症研究所寄生動物部の杉山広前室長によると、05~11年に医療機関を受診した約33万人分のレセプト(診療報酬明細書)を基に計算すると、年間発生数は約7千件に上ると推計される。魚介類の流通事情が変化し、冷凍でなく生の状態で取引されるケースが増えたことも被害増加の要因と考えられるという。【共同】

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