参院本会議で農業競争力強化支援法が可決・成立し一礼する山本農相=12日午前

■JA全農に改革迫る

 農産物流通の合理化や農薬など生産資材価格の引き下げを促す農業競争力強化支援法が12日、参院本会議で可決、成立した。政府が今国会に提出した農業改革8法案の中核をなしており、農業の成長産業化と生産者の所得向上を狙って関係業界の改革を後押しするのが柱だ。3カ月以内の施行を目指す。名指しはしていないが、JAグループで商社、資材供給の機能を担う全国農業協同組合連合会(JA全農)に改革を迫る内容だ。

 山本有二農相は成立に先立つ閣議後記者会見で「農業改革を実現するために、重要な法律だ」と強調し、施行に向けて関連省令を定めるなど早急に準備を進める考えを示した。

 農業競争力強化支援法は昨年11月にまとまった「農業競争力強化プログラム」の実行に向けた骨格を規定。農家が良質で安い生産資材を仕入れ、有利な価格で出荷できる環境の実現を政府の責務とした。

 JA全農が卸す農薬や肥料などの銘柄集約を推進し、農家への情報提供を充実して取引条件を透明化する。数が多い卸や資材メーカーなどの再編、寡占状態の農機業界への新規参入を促そうと、農相による計画認定を条件に税制優遇や低利融資、官民ファンドの出資といった支援策を用意した。

 政府は約5年ごとに資材価格や農産物流通の実態を調査。結果に基づいて法改正などの必要な措置を取り、改革が後退しないようにする。

 政府は今国会に農業改革8法案を提出。米国の離脱で環太平洋連携協定(TPP)発効の道は険しくなったものの、政府は農地の大区画化や農機・種子の開発に関する規制緩和なども進め、農業の足腰を強くするとしている。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加