記録的な豪雨に見舞われ、濁流で壊された橋=6日午前、福岡県朝倉市

 被害の深刻さは、時間の経過とともに浮き彫りになった。豪雨に見舞われた九州北部は6日、濁流と土砂で風景が茶色に変わっていた。道路は寸断され、流木が散乱。行方不明者や連絡が取れない人が相次ぎ、犠牲者も出た。降り続く雨の中、捜索が続く。孤立集落では多くの人が救助を待ちわび、避難者は自宅に戻るめどが立たず、疲れをにじませた。

 周りの景色が一変した。「電気と水道が止まっていて。家に戻っても普段の生活に戻れるのはいつになるか…」。九州豪雨で大きな被害を受け、行方不明者も出ている福岡県東峰村。雨が降る中、役場隣の避難所に身を寄せた住人からは不安を訴える声が相次いだ。

 「車庫の前に流木が押し寄せてきた」と話すのは熊谷教子さん(60)。家は高台にあるが、高台の両脇にある斜面が崩れた。車では家に近づけない状態という。

 「家の前の道がまるで川のようで…。とても避難所に行ける状況ではありませんでした」。東峰村に隣接する、福岡県朝倉市。濁流の中で自宅が一時孤立した主婦大藪由紀さん(47)は小中学生の娘2人と乗り切った一夜を振り返った。

 茶色い水が隙間からひたひたと家の中に入ってきたといい、大藪さんは「水を夜通しでかき出しました」と疲れ切った様子。大藪さん宅の周辺を含め、朝倉市でも各地の道路や線路が猛烈な水流で破壊された。田は水没。車がひっくり返り、山から流されてきた樹木が散乱した。

 市役所の災害対策本部では市職員、警察や自衛隊の担当者らが孤立集落の情報収集を続けた。要救助者の数や場所の情報は錯綜(さくそう)しがち。自衛隊の担当者は「全力で対応する。ヘリも飛ばせるだけ飛ばす」と話した。

 山あいにある市立松末小学校。周囲が冠水し、児童ら50人以上が校内で一晩を過ごした。6日午前、消防隊が到着してやっと外に出られたが、児童からは「怖かった」「疲れた」といった声が漏れる。

 大分県日田市ではJR久大線の鉄橋が流失し、橋脚が茶色に濁った川の中に転がった。市役所に夫婦で避難した高倉辰雄さん(87)は「こんな大雨は人生で初めてだ」と不安そうに話していた。【共同】

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