孤立していた松末小学校から、濁流にえぐられた道路を歩いて避難する子どもたち=6日午前10時9分、福岡県朝倉市

 記録的な豪雨に見舞われた九州北部の福岡、大分両県で6日、自衛隊や消防などが不明者の捜索や、住民の救助活動を本格化させた。福岡県朝倉市で男性1人の遺体が発見され、夫婦とみられる2人と男性1人の計3人が心肺停止の状態で見つかった。大分県日田市では男性2人の死亡が確認された。道路が寸断し、両県では約700人が孤立。複数の安否不明者の情報もあり、救助作業が難航する中、政府と県が被害状況の把握を急いでいる。

 気象庁は6日午後、福岡、大分両県の広い範囲に5日から出していた特別警報を解除した。引き続き大気が不安定な状態にあり、土砂災害や河川の氾濫に厳重に警戒するよう呼び掛けている。

 共同通信の集計では避難指示は福岡、大分、熊本3県で最大約18万6千世帯、約45万人に上った。雨が弱まった6日午後には約3万9千世帯、約10万6千人に減った。

 福岡県によると、朝倉市で1人、東峰村で3人が行方不明となっている。大分県では日田市で15人と連絡が取れないという。菅義偉官房長官は記者会見で、両県警への110番のうち約20件で安否が確認できていないと明かした。政府は調査団を派遣し、情報収集を進めた。

 福岡県は朝倉市と東峰村、大分県は日田市と中津市に災害救助法の適用を決めた。

 福岡県の朝倉市では、流木などに埋もれた藤本哲夫さん(66)の遺体を発見。消防によると、倒壊した家屋近くで80代の夫婦とみられる2人が心肺停止で見つかった。大分県日田市では、土砂崩れに巻き込まれた消防団員の山本岳人さん(43)の死亡が確認されたほか、川の中で男性(79)の遺体が見つかった。

 6日は災害派遣要請を受けた自衛隊員や消防、警察が約7800人態勢で、道路の冠水などで孤立状態になった東峰村や、大肥川があふれた日田市で活動した。今回の豪雨は、前線の動きに伴って積乱雲が帯になった「線状降水帯」が九州北部に停滞したのが原因となった。【共同】

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