情報サイト問題に関する第三者委の調査報告を受け、記者会見するDeNAの守安功社長(左)と南場智子会長=13日午後、東京都渋谷区

■広告収入追求、ネット不信拡大の恐れ

 ディー・エヌ・エー(DeNA)の情報サイトに法令違反の疑いがある記事が多数掲載されていたことが判明した。広告収入を増やすために記事の量産を優先。調査した第三者委員会は「正確性を後回しにした」と厳しく指摘した。情報検索の利便性を売り物にするインターネットメディアへの不信感が広がる恐れもある。【共同】

 ▽もうけ主義 

 「実質的にはメディアだったのに、適切に運営していなかった」。DeNAの守安功社長は13日の記者会見で、情報を扱う企業としての自覚が欠けていたことを率直に謝罪した。

 DeNAは2014年に約50億円を投じて関連企業を買収して情報サイト事業に本格参入。収益を伸ばしていた中で問題が発覚した。守安社長はサイトを休止してから約3カ月の間に何度となく「DeNAはもうけ主義と言われ、つらかった」と悔しさをにじませた。一方、会見に同席した創業者の南場智子会長は「同じ形での再開はあり得ない」とし、もはや成長事業ではなくなったとの認識を示した。

 ▽閲覧目標 

 第三者委の調査報告書は300ページ超に及び、DeNAが情報サイト事業に傾斜していった経緯や、管理・運営のずさんさを浮き彫りにした。主力のゲーム事業が頭打ちになる中で、情報サイト事業を「第2の柱となす新規事業」と位置づけて強化する方針を決定。広告収入に直結する閲覧回数に目標が設定された上、記事作成では内容の質がある程度低くても量産することを確認した。

 医療情報サイトに掲載された「肩こりの原因は幽霊?」との記事は、担当者が検索サイトで「肩が痛い」と入力したところ、関連用語の予測キーワードで「霊」という言葉が出てきたため、関連づけた記事を作成すれば閲覧数を稼げると考え、外部ライターに書かせた。他にも著作権侵害の可能性がある記事や「コピペ(文章の切り貼り)」の疑いのある記事の具体例を示している。

 報告書は「収益性の観点を優先させ、情報の正確性や適切性を後回しに、ひたすら閲覧目標を追い求めてしまった」と結論づけた。

 ▽まじめ求めず 

 他のネットメディアはどうか。あるIT大手のまとめサイトで芸能関係の記事を書いている30代の男性は、「芸能事務所やテレビ局のサイトの写真を無断で使うことは珍しくない」と明かす。

 記事を書くのは勤務先での仕事の合間。スポーツ紙のサイトに掲載されている芸能記事やテレビ番組の内容を見ながら約15分で書き上げるという。収入は平均すると月に10万円ほど。3年近くやっているが、自分で取材したことは一度もない。

 男性は「何かを発信するという使命感はない。読者もまじめなものなんて求めていない。ただの手軽な副業」と割り切ったように話す。情報に対する意識の低さに危うさが潜む。

このエントリーをはてなブックマークに追加