国営諫早湾干拓事業の開門問題を巡る和解協議に関し、開門しない前提で国が示している総額100億円の基金案について、開門派弁護団が長崎地裁に議論の打ち切りを求めることが10日、分かった。17日の次回協議で意見書などを提出する。和解協議を継続する方針は変わらず、今後は開門を含めた協議に移るかどうかが焦点となる。

 基金案は、開門しない前提の和解成立が条件となっており、長崎地裁は運営主体となる沿岸4県と各漁協・漁連に対し、17日までに受け入れの可否について回答を求めている。佐賀県有明海漁協は9日に拒否することを決定、福岡、熊本の両漁連は10日に受け入れることを最終確認した。ただ、受け入れても「開門の旗は下ろさない」とする漁業団体があるため、弁護団は事実上、基金案は成立しないと判断した。

 基金案に関して開門派弁護団は、既に拒否する姿勢を示しているが、議論自体には「開門しない前提が成り立たないことを、協議の場で明らかにする」として応じていた。岩井三樹事務局員は「議論を続ければ、拒否している佐賀県の漁協にも国から圧力がかかる。これ以上、漁業者の対立や分断を招くことは許されない」と述べた。

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