8年ぶりの選挙戦となった三養基郡上峰町長選は、現職の武広勇平氏(37)=堤=が、新人で元町会計管理者の鶴田直輝氏(66)=坊所=に約2300票の大差をつけ、3選した。町議会とのあつれきはあったものの、町民は財政再建の実績を評価、刷新ではなく、若さと継続を選んだ。

 武広氏は2013年、町初の無投票で再選したが、町議会(定数10)は町長派と反町長派で真っ二つに割れ、昨年秋から対抗馬擁立の動きが活発化。複数の名前が挙がっては立ち消えた。2回連続無投票の観測が広がっていたが、昨年12月議会で議員の費用弁償復活議案(のちに撤回)と給食費無料化予算を巡り議会の反町長派と執行部の対立が激化、1月中旬に鶴田氏が立候補を表明した。

 鶴田氏は無投票阻止に加え、「町職員の早期退職が増えている」と職場環境を問題視した。文科省から出向し昨年4月に赴任した副町長が6月末に東京出張のまま戻らず、体調不良を理由に実質3カ月で辞職したことも、町議から監督体制に疑問の声が出ていた。

 給食費無料化予算に関し町議会を舞台に前哨戦も繰り広げられたが、現職批判では町民の共感は広げられなかった。町商工会などの後ろ盾を得て組織戦も展開した武広氏が、町役場OBが実働部隊となった鶴田氏を一蹴した。

 2304票の差は、1989年の町制施行後でみると、信任投票の意味合いが強かった91年の2992票差に次ぐ大差。武広氏は8年前に比べ得票数を860票伸ばした。

 武広氏は今後、財政難を理由に抑制してきた住民サービスの拡充を掲げ、給食費無料化や中心市街地の再開発などを推し進める。そのためには議会との関係改善も欠かせない。政争を背景とした旧来の対立を解消し、職員の働きやすい職場づくりにまで目配りすることができるか。2期8年の真価が問われる3期目となる。

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