玄海原発の再稼働について意見を述べる委員たち=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働に関し、佐賀県は13日、県内各団体の代表で構成する3回目の広く意見を聴く委員会(会長・副島良彦副知事、30人)を開き、出席した全委員が考えを述べた。唐津、伊万里両地区の農業団体のほか看護師、介護施設、消費者団体など7人が反対・慎重意見を表明、商工団体や有明海側の農漁業団体など10人は、電気料金の高止まりなどを理由に、安全性の確保を前提として賛成・容認する姿勢を示した。

 玄海原発に近い地域や事故時に直接対応を迫られる団体から相次いで慎重意見が出たことで、再稼働への理解が十分に得られていない現状が浮き彫りになった。賛否を明確にしなかった9人も避難計画の実効性や事故への懸念を示した。

 事前に書面で伝えた委員を含め26人が意見を出した。玄海原発が地元にあるJAからつの堤武彦組合長は、風評被害への懸念を理由に「再稼働に賛成とは言い難い」と言明した。半径30キロ圏内にあるJA伊万里の岩永康則組合長も「第二の福島をつくらないのが原則」と述べ、「再稼働に慎重、というより不安だ」と農家の思いを代弁した。

 県看護協会の三根哲子会長は「やむを得ないと妥協するのではなく、県として認めない判断が必要」と注文、反対した県介護老人保健施設協会の藤岡康彦会長は、避難計画と現場が乖離(かいり)する実情を挙げた。

 一方、容認姿勢では、県中小企業団体中央会の内田健会長が電気料金の高止まりが経営を圧迫し「現実的な対応をせざるを得ない」と主張、地元の理解と納得を条件に再稼働を順次進めるよう求めた。県商工会議所連合会の井田出海会長は書面で、経済力を維持し、生活水準を落とさないために「原子力エネルギーが必要との立場」と説明した。県有明海漁協の徳永重昭組合長は、温暖化への影響などを挙げ「当面は原発に頼らざるを得ない」とした。

 終了後、会長の副島副知事は「各界の課題や姿勢が聞けた」と意義を強調した。委員から再稼働に慎重な専門家の意見を聞く場の設定も要望されたが、特段の事情がない限り、今回で終わる考えを示した。専門家で構成する原子力安全専門部会は、近く会合を開いて報告書をまとめる。委員の意見や報告書は、山口祥義知事が判断の参考にする。

 (各委員の意見は15日付で詳報します)

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