東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県で、津波被害に遭った地区から高台や内陸に移転する集団移転などの計画戸数が、当初の計2万8060戸から約3割減ったことが10日、分かった。自宅再建の前提となる宅地造成が遅れ、待ち切れない被災者が古里を離れて生活することなどが一因。震災から11日で5年10カ月。造成済みは3割減となった計画戸数のほぼ半数の約1万戸にとどまっており、人口流出で計画縮小を迫られた形だ。

 計画戸数は「防災集団移転促進事業」「土地区画整理事業」「漁業集落防災機能強化事業」の3事業の合計。復興庁が最初に資料をまとめた2012年12月末と直近の16年9月末時点を比較した。

 岩手県は11市町村の1万87戸から7811戸、宮城県は14市町の1万5432戸から9705戸に減少。東京電力福島第1原発事故の影響が大きい福島県は、計画を策定した自治体は3町増えて7市町となったが、戸数は2541から1869に減った。3県合計の計画戸数は、当初から8675戸減の計1万9385戸で、このうち造成済みは1万352戸。

 岩手県大槌町は最大で1944戸を計画したが、1392戸に縮小。資金の余裕がなくなった人や、宅地造成を待ち切れず町外に転出した人が続出したためだ。移転計画自体を断念した地区もあり、担当者は「時間がたつほど町民の意向が変わっていった。早く復興したいが、事業が膨大でなかなか進まない」と話す。

 転入希望者数が造成した宅地数を下回り、空き地になるケースも出ている。宮城県石巻市は17年1月現在、市街地に造成する72戸分が空き地。資材や作業員の不足で住宅建築費が高騰、自宅再建を諦めて災害公営住宅への入居に切り替える人が多いのも理由の一つだ。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加