石井啓一国土交通相は10日の記者会見で、2016年に日本を訪れた外国人旅行者は、推計2403万9千人だったと明らかにした。1973万人余りだった15年比22%の増加。前年を上回ったのは5年連続で、初めて年間2千万人を突破し、過去最高を更新した。ただ16年は円高が進んだことや中国の景気減速、熊本地震といったマイナス要因があり、47%増だった15年に比べて伸び率は鈍化した。

 石井氏は「伸び率は下がっているが、引き続き堅調な伸びを示している。さまざまな施策を実行し、この勢いを維持したい」と強調した。ホテルや旅館不足に対応するため、20日召集の通常国会に、一般住宅を宿泊施設として活用する「民泊」に関する新法案を提出する。

 菅義偉官房長官も記者会見で「ビザ(査証)の発給要件緩和や、免税制度拡充がこの大台につながった」と述べた。

 政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に年間4千万人とする目標を掲げている。空港や港湾の機能強化、全国各地の文化財や国立公園の活用など、受け入れ環境の充実を進める。16年の訪日客増は、航空便の新規就航や増便、クルーズ船の寄港増などが寄与。中国や韓国が堅調に伸びたほか、東南アジアからの旅行者も増えた。

 また国交省は10日、14年に外国人旅行者が多く訪れた都道府県の順位の推計を公表。推計対象となった八つの国・地域のいずれも東京が1位だったが、台湾とタイでは雪の多い北海道が2位に入った。米国や英国などは、日本文化や歴史への関心を背景に京都に加え、広島も上位に名を連ねるなど、国や地域の特徴を表す結果となった。【共同】

 ■訪日観光の現状 政府は観光を成長戦略の柱の一つに位置付け、ビザ(査証)の発給要件緩和や消費税の免税制度の拡充などを進めてきた。東日本大震災が起きた2011年は622万人に落ち込んだが、その後順調に増加。13年に初めて1000万人を超えた。ただ訪問先が東京や京都、大阪を巡る「ゴールデンルート」に偏る傾向にあり、地方への誘客が課題となっている。

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