数千の虹の光線を再現した新作インスタレーション「スペクトル」の展示室を歩く吉岡徳仁さん=東京・銀座の資生堂ギャラリー

 スモークで満たされた空間に、プリズムから放たれた数千本の虹が揺れながら広がる。佐賀市出身のデザイナー吉岡徳仁(とくじん)さんの新作インスタレーション「スペクトル」の展覧会が13日から、東京・銀座の資生堂ギャラリーで開かれる。「太陽より美しい光はない。それを再現しようと研究と実験を重ねてきた」。これまで誰も見たことのない神秘的な光を体験できる。3月26日まで。

 インスタレーションは彫刻や建造物と空間が一体となって作品を形作る。一辺10センチの三角柱のプリズムガラス200個を壁面高く備え付け、背後からゆっくりと動く光を放つことで、大小さまざまな数千の揺れる虹の光線を生み出した。

 2007年からプリズムを使ったプロジェクトに取り組んできた。「虹の光線を空間全体に放つというアイデアはずっとあったが、なかなか再現できず、太陽の原理から研究してようやく形になった」

 「自然」と人間の関係性をキーワードに、光がもたらす感覚を追求してきた。「白く透明に見える自然の光だが、無限の色が存在している。今回の作品は、見る人がどんな自然を体験してきたかによって呼び覚まされる感覚が違うだろう」と狙いを語る。「これからも常識を越えるような作品を生み出していきたい」。

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