初詣客でにぎわう過日の唐津神社

 明けましておめでとうございます。皆様におかれまして、ご多幸の一年になりますように。さて、今回は過日、年始を唐津で迎えた事について綴(つづ)ります。

 その節はこれといった予定がなく、ホテルの部屋でぼんやりとテレビをつけ、干しあごを肴(さかな)に地の純米酒を持参の盃(さかずき)に酌んでいました。ゆっくりと4合ほど。僕にとっては過ぎた量で、随分と良い気持ちに。外の空気を吸いたくなり、部屋を出ました。

 人通りがまばらな街。通りは掃き清められ、清廉であり、新年ならではの飾り付けがそこかしこに。酔っていたせいもあり、些(いささ)か気の大きくなった僕は人とすれ違うごとに「おめでとうございます」と声をかけました。

 すると皆さん例外無く、“見ず知らずの酔っぱらい”に頭を下げ、「おめでとうございます」と丁寧な返礼をしてくれたのです。東京でこんな事があろうはずがなく…。温かい気持ちになった事は言うまでもありません。

 軽やかになった心持ちで三の門、二の門を過ぎ、唐津城の石垣の、武張(ぶば)った空気が酔い覚ましを加速させ、虹の松原に辿(たどり)り着く頃には、完全な素面(しらふ)に。

 なんとも心地良い出来事でした。そんなことがこの唐津という町には数多(あまた)在ります。それも当たり前に。在する人々、街、そして自然の織りなす佇(たたず)まいは、いつも僕の心の澱(おり)をぬぐいさってくれるのです。

 都市インフラの普及により全国各地、画一化が進んでいます。唐津も然(しか)り。僕の初訪からしても随分な様変わりしました。一方、変わらないものもあります。人々のホスピタリティー、です。これ在る限り、この町は魅力的であり続けるだろう。いや、そうあり続けてほしい、と新春に強く思うのです。

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