店に伝わる古文書と「絵師の菓子帖」を披露する堤光昌さん=佐賀市西魚町の鶴屋

与賀神社の鳥居のそばにある鶴屋

 与賀神社の参道の鳥居のそばに寛永16(1639)年に創業した鶴屋(佐賀市西魚町)。御用御菓子司として丸房露などを佐賀藩に納めたことで知られる。店内には、菓子を木おけで運んでいた時のふたや「佐賀丸房露」と書かれた木の額などが飾られ、老舗の雰囲気が漂う。

 菓子の製法を書いた江戸時代中期の古文書が4冊残っており、14代目社長の堤光昌さんは2006年、それを専門家に現代文にしてもらい、『「鶴屋文書にみる」江戸時代の佐賀の菓子』を発行した。

 その中の「菓子仕方控覚」に記され、幻の菓子となっていた「けし跡(あと)」を「肥前ケシアド」として復刻した。

 風呂敷に包まれた古文書は和紙で、所々に絵が入り、達筆な墨字で書かれている。包みの中には、専門の絵描きに頼んで菓子のデザインを描いた「絵師の菓子帖」もあった。1860年に顔料で描いたというのに、鮮やかな色彩が残っていることに驚かされる。

 「菓子帖を参考に、祖父は桃の菓子などを作っていましたが、幾何学模様の絵など何に使われていたか分からないものもあります」と堤さん。この絵を基に何か新しいものをよみがえらせてほしいと思った。

 (地域リポーター・上原和恵=佐賀市)

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