自身の障害を伝えて生徒たちにエールを贈った落語家の柳家花緑さん=佐賀市の佐賀星生学園

■「好きなことを追求して」

 “昭和の名人”と称された人間国宝の落語家五代目柳家小さんの孫に当たる柳家花緑さんが佐賀市の佐賀星生学園で学校寄席を開いた。花緑さんは江戸前の芸で笑いを取りながら、自身のADHD(注意欠陥多動性障害)にも触れた。同学園は不登校だった生徒も受け入れており、「自分の得意な分野をとことん伸ばしていけば社会に居場所はある」とエールを贈った。

 花緑さんは祖父の影響で9歳から落語を始めた。きっぷのいい語り口や落語に現代的な解釈やくすぐり(ギャグ)を盛り込み、落語界の次世代を担うエースとして注目されている。

 この日は、長屋の隠居と職人がやりとりする「つる」と、親子の情愛をにじませる「初天神」の2席を披露。滑稽噺(こっけいばなし)を得意とした柳家の系譜を継ぎながら、独自の演出や確かな表現力が光る好演を見せた。

 後半、花緑さんは自身のADHDや読み書きの障害について話した。小学校時代、通信簿が美術と音楽以外はオール1だった逸話を紹介し「多弁症で落語家しか道がなかったが、好きなことを追求したら道が開けた」と話した。

 黙々と作業をするのが得意という2年生の寶泉成謙(まさのり)さん(17)は「自分の強みを伸ばしてプログラミングを学び、ゲーム業界で活躍したい」と花緑さんの言葉に感銘を受けていた。会は佐賀市文化振興財団が主催した。

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