竜巻対策で整備し、3月に完成した保管庫内。重大事故時に使用する水中ポンプ用発電機などを保管している=東松浦郡玄海町の玄海原子力発電所

 九州電力は7日、再稼働準備が進む玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)について、新規性基準に沿って安全対策を強化した設備を報道陣に公開した。福島第1原発事故を教訓に、水素爆発のリスクを低減させる設備を整えた原子炉格納容器内や、竜巻にも耐え得る設計で3月に完成した保管庫を初めて披露した。福島の事故後に実施した対策工事はほぼ終了したことで、今秋以降の再稼働へ向け、住民の不安解消につなげたいとしている。

 保管庫は風速100メートルの竜巻にも耐え、燃料などを冷やす水を供給するポンプ車や発電機に燃料を送るタンクローリーなど約10台を収める。中央制御室から遠隔操作できる大容量空冷式発電機もワイヤで地面と固定し、「強風や地震に耐えられる」と強調した。

 福島の事故後、九電は川内原発(鹿児島県)と合わせて計6千億円をかけた対策工事を実施、玄海原発は今年4月に完了した。九電は「合同発注のため原発別の工事費は分からない」と説明した。

 テロ攻撃を受けても原子炉冷却を続けられる「特定重大事故対策施設」と、事故時の対策拠点になる「緊急時対策棟」については、今後整備するとしているが、時期は未定。放射性物質を減らして格納容器内の蒸気を排出する「フィルター付きベント」は「設置するかどうか検討中」としており、課題を残している。

 再稼働を巡っては今年3月に岸本英雄玄海町長、4月に山口祥義知事が同意した。今後は設備の詳細設計をまとめた「工事計画」、運用管理体制を定めた「保安規定」に関し原子力規制委員会の認可を受け、使用前検査を経て再稼働する。

 公開には17社34人が参加し、約4時間半にわたり説明を受けた。

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