ランナーに水を手渡す高校生ボランティア=佐賀市上下水道局前

 「さが桜マラソン2017」が19日、佐賀市の佐賀県総合運動場を発着点に開かれる。フルマラソンになって5回目。回を重ねるごとに評価は高まっているが、全国的にみると、市民マラソンは“飽和状態”という見方もある。ランナーに支持され続けるように、今回も満足度の高い大会にしたい。

 今年の大会は熱中症などランナーの安全面を考慮し、これまでより10日前後早い日程となった。桜の開花宣言前になりそうだが、吉野ケ里歴史公園を折り返すコースは平たんで走りやすく、今回も参加申し込みはすぐに定員に達する人気だった。

 フルマラソンには、47都道府県すべてから9942人がエントリー。ファンランを合わせると、1万1648人が参加を申し込んでいる。半数以上は県外から訪れるランナーで、佐賀の魅力をアピールする絶好の機会でもある。

 2007年に始まった東京マラソンを機に、全国各地でフルマラソンの大会が開かれるようになってきた。2~3月だけをみても、京都、高知、熊本、姫路、鹿児島など日曜日ごとに開かれており、年間を通すとフルマラソンだけで200ほどの大会があるという。“乱立”ともいえる状況の中で、どの大会もこのまま継続していけるとは限らない。

 スポーツイベントを手掛ける「アールビーズ」が「3年後のランニング市場」について、各大会の主催者に聞いたアンケート結果がある。それによると、「ランニング人口は微増、横ばいで、大会への評価はさらに厳しくなる。大会の数はまだ増え、人気に応じて淘汰(とうた)が進み、差別化できない大会は存続の危機になる」とみている。ランナーから「選ばれる大会」になるためには、これまで以上に特色を打ち出していかなければならない。

 さが桜マラソンは走りやすいコース設定とともに、中高校生や自治会など3千人を超えるボランティアのもてなしと沿道の声援が高い評価につながっている。毎回、「生徒たちの礼儀正しさに感心した」「給水所のおばちゃん、おじちゃんの元気に励まされた」などの声が寄せられ、大会の温かみを生んでいる。記録を狙う人、春を感じて走りを楽しむ人、参加者の目的はさまざまだろうが、今回も大会に関わる人たちの力を集め、「佐賀は良かった」と言ってもらえるようにしたい。

 マラソンに限らず、スポーツはプレーするだけでなく、「見る」「支える」楽しみ方がある。6年後には国民体育大会と全国身障者スポーツ大会を控えているが、今大会のように市民の協力で成り立っている既存の大会で経験を積み重ねながら、それぞれに合った形でスポーツを楽しむ人の裾野を広げていきたい。(大隈知彦)

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