多久市立病院(多久市多久町)と小城市民病院(小城市小城町)の2025年度までの統合を目指し、両市が協議を進めていることが15日分かった。施設が老朽化しており、新病院建設を検討している。17年度に新病院建設に関わる準備室を両市で設置する。国の財政支援措置は20年度までのため、計画策定を急ぐが、新設場所の選考を巡り紆余曲折も予想される。

 多久、小城市長らをメンバーとした「多久・小城地区自治体病院再編・ネットワーク研究会」(座長・古川次男県健康福祉部医療統括監、11人)が、両病院とも築30年以上たち、「この機を逃すことなく、両病院を統合し、新たな病院を設立することが最も望ましい選択肢」とする報告書を1月にまとめた。

 研究会は16年8月に発足。総務省の「新公立病院改革ガイドライン」(15年策定)に基づき、佐賀県が自治体病院再編を加速させる「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」に対応するため、10年計画の両病院の改革案を協議してきた。

 報告書は、両病院の将来像として「子育て環境への充実に向けた産科・小児科の機能」「地域医療・健康を全般的に支えるため、かかりつけ医を支援する機能」「高齢者の移動手段も考慮した在宅医療・訪問看護の機能」など10項目を盛り込んでいる。

 多久側の関係者は「25年6月までに病棟にスプリンクラーを設置しなければならず、ばく大な費用が発生する」と設備投資が負担になっている状況を明かす。小城側も「現在の病棟の廊下幅が1・9メートルで、基準値の2・7メートル超よりかなり狭い」と病棟の構造的な欠陥を挙げる。

 新病院の建設場所については「白紙の状態」としている。両病院の関係者は「広域行政に関わるので、(病院の設置場所は)両市の協議で決まる」と話す。18年度に総務省のヒアリング、次年度に基本設計に着手し20年度には実施設計を終える着工までの工程案も報告書で示している。

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