「けもの隠れ」(1999年、紙にペン、インク、120×90㌢、個人蔵(C)IKEDA Manabu Courtesy Mizuma art Gallery)

■動物や竜、白抜きで描写

 東京芸術大学の卒業制作でモノトーン作品「巌(いわお)ノ王」を制作した画家池田学さん。ペンの細かな筆致だけで屹立(きつりつ)する岩肌を表現したが、大学院修了時の「けもの隠れ」では、その世界観をさらに進化させた筆致で描き、周囲を驚かせた。

 卒業制作では塔のような岩山がモチーフだったが、この作品は岩山が複雑に入り組み、天に向かってそびえ立つ。岩肌にはタヌキやサル、キツネといった獣をはじめ、竜など空想上の生き物や骸骨(がいこつ)も隠れている。その箇所は線を描かず、すべてが白抜きだ。

 佐賀北高時代の恩師で洋画家の金子剛さん(佐賀市)が2000年に退職記念「金子剛と教え子達展」を開催した際に、池田さんも出品。東京芸術大の中島千波さんがこの絵を購入する予定だったが、金子さんが「旅行代の足しに」と餞別(せんべつ)代わりに金額を上増しして購入した。県立美術館に寄託する予定で、金子さんは「将来、県立美術館で新作『誕生』と初期作品を一緒に楽しんでもらえたら」と話す。

 池田学展は県立美術館で20日まで。一般1200円、高校生以下は無料。

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