哀浪の短歌をめぐり意見を交換する参加者ら=佐賀市白山の佐賀商工ビル

■「歌の材料、身の回りにある」

 短歌結社「ひのくに」(江副壬曳子(みえこ)代表)は6日、佐賀市白山の佐賀商工ビルで、佐賀市出身の歌人・中島哀浪(あいろう)(1883~1966年)が詠んだ妻にまつわる短歌を鑑賞する会を開いた。会員ら約30人は日常を歌った哀浪の作品について意見を交わし、理解を深めた。

 同会は、哀浪らが1922年に創刊した同人誌「火の国」を前身とする。鑑賞会は、哀浪が妻・まつとの生活を詠んだ短歌100首から、会員らが投票で絞った30首を1首ずつ鑑賞した。

 歌人の水城春房さん(埼玉県)を迎え、同会の前代表で顧問を務める山野吾郎さん(千葉県)の司会で鑑賞会は進んだ。

 「いそぎ来て/書留のびらに/印を押す/妻はかまどの/煙のにほひす」という歌では、参加者から「当時は和服なので、今より煙のにおいもこもりやすかったのでは」などの意見が出された。

 山野さんは、書留の中身は原稿料で、哀浪に渡ると使ってしまうため妻が慌てて受け取りに出たと解説。「哀浪は、あるがままを格好つけずに歌う。皆さんの身の回りにも、歌の材料はあふれている」と力を込めた。

 参加した佐賀市の角本久子さん(67)は「哀浪の作品は叙情的で感覚的。若い人にもその魅力を広めていきたい」と話していた。

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