蒸したコウゾの皮を手ではぐ塩田小6年の子どもたち=嬉野市塩田町

のり面に生えたコウゾの枝を収穫する参加者ら=嬉野市塩田町

 嬉野市塩田町鍋野地区の伝統工芸品「鍋野和紙」の原料となるコウゾの収穫作業が7、8の両日、同地区であった。地域住民や塩田小6年の子どもたちが参加し、地区内の畑などからコウゾの枝を刈り取り、和紙に使う皮を剥ぐ作業に精を出した。

 地区内の畑や道沿いののり面など合わせて35アールほどでコウゾを刈り取った。刈った枝は長さを約1メートル20センチにそろえて蒸し、材料になる皮を次々に剥いだ。

 皮はこの後、乾燥させて保管し、和紙をすく際には必要な分だけ漂白し、細断して使う。鍋野和紙は嬉野市内や太良町の小中学校の卒業証書に使われるなど、地域に親しまれている。

 鍋野手漉(す)き和紙保存会によると近年、イノシシの食害などでコウゾの収穫量が減っており、今年も「例年の3分の1程度」。ただ昨年から、コウゾの収穫場所に防護柵を設置しており、数年後には回復する見込みだという。

 塩田小の西野寿実さん(12)は「この地区に住んでいるけど、収穫を手伝ったのは初めて。和紙を作るのにこんな作業が必要だとは知らなかった」と驚いていた。保存会の西野俊行代表(81)は「新たに手すきを学びたいという後継者も昨年までに3人入ってきて、なんとかつながるのではと思う。先人からもらった技を完全に伝えなければ」と技術伝承への思いを新たにしていた。

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