初期鍋島の陶片40点以上が見つかった物原=伊万里市大川内町

 伊万里市教育委員会は20日、大川内山の「日峯社(にっぽうしゃ)下窯跡」で本年度発掘調査の現地説明会を開く。本年度は窯跡の中位にある焼成室(第8室)と作業段、物原(ものはら)(失敗製品の廃棄場所)を発掘。雨水を流す溝などの構造を確認し、物原から初期鍋島の陶片40点以上が出土した。

 鍋島藩の御用窯で焼かれる以前に「初期鍋島」を焼成していたとみられる。階段状連房式登り窯で、全長52メートルの傾斜地に15室が並ぶ。真ん中付近の焼成室で一番いい製品を焼く例が多く、市教委は「第8室が鍋島を焼いた焼成室ではないか」と推察。大量生産品を焼いた他の焼成室との構造の違いを明らかにしようと調査した。

 第8室は後世に大きく削り取られ詳細はつかみづらいが、他の焼成室と大きな差異はなかった。奥壁が重なって出土し、改修が行われていたことを確認したほか、窯の横に雨水を流した溝跡も見つけた。

 物原は粗放な碗類が大量に出土する中、1660年ごろとみられる初期鍋島の陶片が40点以上見つかった。いずれも細かく砕かれ、デザインが外部に流出しないよう統制されていたことをうかがわせる。

 物原の堆積の形状は、上の焼成室の方向から舌状やマウンド状に廃棄した可能性もうかがえることから、次年度は物原を縦方向に掘って調べる方針。それによって初期鍋島を焼いた焼成室が、第8室より上(第9室か第10室)の可能性も検討できるという。

 現地説明会は20日午前10時半から約1時間。集合場所は長春青磁陶窯の工房前空き地(駐車場は伊万里・有田焼伝統産業会館か伊万里焼総合展示場を利用)。足元が悪く、動きやすい服装や長靴での参加を勧めている。申し込みは不要。問い合わせは市教委生涯学習課、電話0955(23)3186。

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