開設した佐賀県ひきこもり地域支援センターと谷口仁史代表理事=佐賀市白山

 佐賀県は15日、民生委員と児童委員のアンケート回答に基づく引きこもりの実態調査の結果を発表し、県内で把握できた引きこもりの人は644人だった。40歳以上の中高年が全体の7割を超え、引きこもりの期間が10年以上は36・0%を占めるなど、高年齢化や長期化が示された。支援を受けている割合は21・1%にとどまった。県内の実態調査は初めて。

 民生委員や児童委員は地域で福祉的支援を必要とする世帯の相談を受け、状況を把握している。県は2105人を対象に15歳以上の引きこもりの人を把握しているかなどを尋ね、1457人から回収した。回収率は69・2%。

 引きこもりの人数は、2015年国勢調査の県人口の0・09%だった。性別は無回答を除いて男性が女性より約2・4倍高い60・4%に上った。年代は若年層の15~39歳が182人で全体の28・7%に対し、40歳以上の中高年層は452人。家族と同居が8割弱を占めるものの、1人暮らしの142人のうち60代以上が89人(62・7%)で、年代が高いほど多い。

 引きこもりの期間は3年以上でみると72・3%、5年以上も半数を超える58・2%だった。引きこもりの経緯は、病気や性格など本人の問題が197人、家族や家庭環境の問題112人、失業107人で、「分からない」は221人。

 回答者からは「家族が相談しない限りは支援も難しい」「どこまで介入していいか分からない」など実態把握や対応の困難さを挙げる意見が寄せられた。県障害福祉課は「調査結果から継続した支援の必要性が示された。相談をしやすくしたり、関係機関につなげたりするなど今後の対策に生かしたい」としている。

■県が支援センター開設 年齢問わず、相談・訪問対応

 「佐賀県ひきこもり地域支援センター」が15日、佐賀市白山に開設された。ニートや引きこもりの若者の自立をサポートするNPOスチューデント・サポート・フェイス(SSF)が受託運営し、相談へのワンストップの対応や訪問型支援を手掛ける。武雄市にもサテライトを設ける。引きこもりの高年齢化が課題となる中、年齢制限を伴わない支援機関は県内初。

 センターはSSFが関わるさが若者サポートステーション(サポステ)や県子ども・若者総合相談センターなどと同じフロアにあり、相談支援に臨床心理士ら2人で対応する。対象者は外出が困難な事情を考慮し、自宅を訪問して話を聞いたり、ニーズを把握したりする活動を展開する。

 サポステは2014年度から国の制度変更で訪問型支援が除かれて窓口対応だけとなり、支援が必要な若者へのアプローチが課題となっていた。センター開設で生活保護や精神保健など各部署で個別に対応してきた中高年の引きこもりへの相談支援を一元化する。

 SSFの谷口仁史代表理事は「自治体など関係機関と連携して支援を展開するとともに、企業の協力など就労や自立に向けての受け皿も一緒につくっていきたい」と話す。

 センターは佐賀市が平日午前11時~午後6時。武雄市昭和のサテライトは月、水、金曜の同時間。相談は原則予約制で、連絡先は電話0954(27)7270へ。センターの愛称も6月30日まで募集している。

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