衛星利用測位システム(GPS)端末を使った警察の捜査について、最高裁大法廷が違法と判断し、新たな法整備を促しました。【共同】

 Q GPSとは。

 A 人工衛星を利用して位置が分かるシステムです。カーナビゲーションやスマートフォンにも内蔵され、暮らしの中で広く使われています。

 Q 警察はどんな捜査をしていたのですか。

 A 捜査対象者の車やバイクに、本人に秘密にして端末を取り付けていました。連続窃盗や組織的薬物、誘拐などの事件が対象です。警察は多くの場合、裁判所の許可(令状)を取ってきませんでした。

 Q GPS捜査の利点は何ですか。

 A 尾行や張り込みでは対象者を見失う恐れがあります。端末を付けていると、検索すれば居場所が分かります。

 Q これまでの司法の判断は。

 A いくつかの裁判所は、居場所が監視されるプライバシー侵害は深刻で、令状が必要だと指摘しました。異なる考え方の裁判所もあり、判断が分かれていました。

 Q 令状はどのような場合に必要ですか。

 A 逮捕や家宅捜索は、人権侵害の恐れがあるため令状が必要ですが、尾行や張り込みには必要ありません。銀行やコンビニは令状ではなく警察の「捜査関係事項照会書」で、口座の取引内容や防犯カメラ映像の提供に応じています。宿泊業者には、照会書がなくても正当な理由があれば宿泊者名簿を開示しているところもあります。携帯電話の通話履歴やメール、位置情報については、通信会社は令状がないと提供していません。

 Q 最高裁の判断は。

 A プライバシーを侵害するため、令状がなければできない強制捜査に当たるとして、令状がない捜査は違法と判断しました。

 Q では、令状を取ればいいのですか。

 A 犯罪と無関係な情報まで取得してしまうことなどから、最高裁は、今の法律が定めている令状に基づく対応に疑問を示しました。GPS捜査を今後も続けるには、新たな法整備が望ましいとしました。

 Q 捜査への影響は。

 A 警察庁は判決を受けて、全国の警察に対し、GPS捜査を控えるよう通達しました。

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