世界的なデザイン賞「インターナショナル・デザインアワード」の授賞式。ブランド開発にかかわった「2016/」の関係者らが登壇した=イタリア・ミラノ(佐賀県提供)

■世界的デザイン、輸出伸長

 佐賀県の有田焼400年事業が、優れたマーケティング活動を表彰する2016年の「日本マーケティング大賞」で地域賞を受賞した。低迷傾向にあった伝統工芸に新しい価値を加え、産業として復活させる取り組みが評価された。表彰式は29日、東京都内で開かれる。

 佐賀県は有田焼を産業として復興させる目的で、13~16年度の4カ年で約21億円を集中的に投資した。欧州でのブランドの再評価を目指して国際見本市に出展するなど、国内外の市場開拓、新商品の開発、産業基盤整備に関する17のプロジェクトを展開した。

 県のほか地元の有田町、窯業界、佐賀大学など産官学が連携して取り組みを進め、有田焼の窯元・商社16社が国内外のデザイナーと共同開発したブランド「2016/」は、世界的なデザイン賞で部門グランプリを獲得。伝統工芸と革新的な創作者によるデザインが評価され、産業振興の新たな可能性を見いだした。

 プロジェクト前に3千万~5千万円で推移していた輸出額は、15年には約1億5千万円に伸長。業界全体でピーク時の6分の1程度になっている売り上げ減少の歯止めにもつながった。

 県有田焼創業400年事業推進グループ(17年1月廃止)で現場の中心となった石井正宏・現肥前さが幕末維新博事務局推進監は、「第三者からの評価は大変ありがたい。ブランドの評価を売り上げという成果につなげることが重要で、今後も県として後押ししていきたい」と話している。

 同大賞は、企業組織の新しいマーケティングやビジネスモデルの開発を促し、消費者の生活向上などを図る取り組みとして日本マーケティング協会(会長・後藤卓也花王前会長)が09年から実施。今回は全国から189件の応募があり、キリンビールの「47都道府県の一番搾り」が大賞に選ばれた。

 有田焼創業400年事業に関しては、佐賀県と有田町が「2016年度百貨店バイヤーズ賞リビング」(繊研新聞社主催)の特別賞も受賞した。

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