経営再建中の東芝の半導体事業売却手続きを巡り、共同投資する米ウエスタン・デジタル(WD)は米現地時間の14日、売却が契約違反に当たるとして、中止を求める仲裁の申立書を、国際商業会議所(本部パリ)の国際仲裁裁判所に提出したと発表した。手続きが遅れて、負債が資産を上回る債務超過を解消できなければ、東芝は上場廃止となる。

 東芝は15日、2017年3月期連結決算の純損益が過去最悪の9500億円の赤字になる見通しを発表した。系列の米原発会社の破綻処理に伴い計1兆3600億円の損失を計上したためで、17年3月末で5400億円の債務超過となる見込み。監査法人の承認を得ていない暫定値の公表は異例だ。

 WDは東芝の半導体工場(三重県四日市市)に投資している。東芝が一部事業を子会社の「東芝メモリ」(東京)に分離して売却するのは「合弁事業契約の譲渡禁止条項に明確に違反している」と主張した。

 東芝の綱川智社長は15日、東京都内での記者会見で「WDにプロセスを止める根拠はない」と手続きを強行する構えを見せた。売却先を実質的に決める2次入札に向けてWDの説得を続ける。【共同】

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