国営諫早湾干拓事業の和解協議に関し、開門しない前提で国が示している総額100億円の基金案について、佐賀県の山口祥義知事は13日、農林水産省の佐藤速水農村振興局長と面談し、受け入れを拒否する考えを伝えた。既に拒否することを決めている県有明海漁協と足並みをそろえ、16日に長崎地裁に回答する。

 基金案は開門しない前提の和解成立が条件となっており、長崎地裁は実現した場合に運営主体となる沿岸4県と各漁協・漁連に対し、17日までに受け入れの可否の回答を求めている。山口知事は基金案について「漁業者に寄り添っていきたいと思っており(漁協と)同じ結論でいきたい」と述べた。

 受け入れを議論する過程で、開門調査を求めて一致していた佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体の対応が分かれたことに関し「思いを分断することは不幸。信頼を積み重ねることが一番の早道ではないか」と国の対応を批判した。改めて開門調査を求め、「どういうことをして、どのような技術的手法で成し遂げられるのか、真剣に取り組んでほしい」と注文した。

 2010年に開門調査を求めた福岡高裁の確定判決が履行されていない現状を踏まえ、「漁業者は一度は開けてもらえるという国への信頼があり、その後の動きに対して不信感があることは理解してほしい」と語った。その上で、基金案には開門しない前提があり「一つの道を閉ざすことは解決になりにくい」として、和解協議の在り方に疑問を投げ掛けた。

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