昨年11月に交流施設「ゆめぷらっと小城」で開かれた「ようかん祭り」。1日約5千人が来場した=小城市小城町

■ソフト前面に交流促進

 閑静な小城公園の周辺は、来春開設する西九州大地域看護学部(仮称)の校舎建設のつち音が響く。「若い人が多く集うと、きっとにぎやかになる。楽しみです」。公園近くで、3年半前から飲食店「花ホタル」を営む石隈賢一さん(47)=三日月町=の声は弾む。

 西九州大の新学部誘致に成功した小城公園を中心とする一帯は2009年、中心市街地活性化法で県内初となる中心市街地活性化基本計画の認定を受けた。

 街の将来像は「住んでよし、訪ねてよし、和で織りなす味わいのある美しい城下町」。中心街を南北に貫く県道整備をはじめ、公園茶屋の設置、大型商業施設空き店舗を利活用した屋台村事業…。104ヘクタールの計画指定区域内で50を超す事業や整備計画が並ぶ。

 ところが、12年の政権交代を機に風向きが変わる。「国からの補助金が縮小し、次々と事業ができなくなった」と活性化協議会関係者。ハコモノを効果的に分散させることで人を呼び込む計画は、小城町役場跡にできた交流施設「ゆめぷらっと小城」やJR唐津線の小城駅改修などにとどまっている。

 新学部設置はもともと事業計画にはなく、最終計画年度に大学側と合意し、起死回生の形で活性化計画に弾みを付けた。さらに16年1月に開館した「ゆめぷらっと小城」は1年間で約16万4千人が利用した。年間7万7千人を見込んでいた市にとって、想定の2倍を超える来場者は、活性化事業の成果となった。

 ただ、石隈さんには活性化の実感はない。「イベントを開催する施設に人がとどまっている。この街の歴史豊かな資源をもっと生かせれば、訪れる人はさらに増えるのでは」

 小城町に続き、新年度からは「牛津拠点市街地活性化構想」が動き出す。21年度までの5カ年計画で、牛津駅を結節点に、商店街と住宅街との人の移動を促す狙いだ。

 「小城町と全く同じことはやらない」。活性化協議会副会長の本村廣太(ひろた)さん(72)の決意は固い。コンセプトは「長崎街道宿場町・商都牛津らしい楽しく健康でくらしやすいまち」。

 小城の活性化計画のように国からの予算が約束されてはいないが、複数の事業計画を同時に進め、後付けで事業に見合う補助金を取り付ける作戦だ。ハード事業は牛津駅の改修にとどめ、「健康」「歴史」「物産」といったソフト事業を前面に市内外の交流をアピールしていく。「とにかく、牛津の活性化は通りに人の動きを見せることにある」

 試行錯誤するまちの活性化事業により、「4町の集まり」から「一つの市」へ-。住民の意識変革こそが今後の市の発展の鍵を握る。

=創生・再生 2017小城市長選(下)=

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