前田英明さん

■まるでステンドグラス

 冠窯(かんよう)は嬉野市嬉野町吉田にある窯です。窯主は前田英明さん(57)。父親の順さんは木の葉天目の作陶家として知られ、前田さんは家業を継ぐために2013年に大学教授を辞め、嬉野市へ戻って作陶活動をしています。

 「父の木の葉天目は中国宋時代の技法をよみがえらせたもの。技術を継がないといけないと思い帰郷しました」と陶芸への熱い思いを語る前田さん。さらに祖父の覚五郎さんが制作に携わった家宝の「含珠焼(がんじゅやき)」を復元させたいと研究を重ね、一昨年、再現させることに成功しました。

 含珠焼は「浮かせホタル」と称される超絶技巧で、模様をくり抜いた素地の周囲に釉薬(ゆうやく)を詰め込んで焼成し、透明性のガラスの中に素地が浮かんだ構造になっています。

 写真の作品は「含珠焼 色花づくし」。第112回九州山口陶磁展の技能賞受賞作品です。色釉薬を使い、まるでステンドグラスのように花文様が湯のみに透け、浮いて見える芸術的作品です。冠窯の電話は0954(43)8864。(地域リポーター・二宮幸枝=江北町)

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