自民、公明両党は「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、17日の衆院法務委員会で採決を強行する構えだ。廃案を狙う民進、共産、自由、社民の4野党は、採決阻止へ金田勝年法相の不信任決議案を提出する方針。鈴木淳司委員長(自民党)は16日の同委理事会で、17日に安倍晋三首相が出席する質疑を行うと職権で決めた。与野党の攻防は激しさを増した。

 法相不信任案が提出された場合、17日の法務委採決は見送られる。自公両党は18日の衆院本会議で不信任案を否決した上で、翌19日に法務委で改正案を採決する考え。衆院通過は来週の23日にずれ込む可能性があり、与党内で6月18日までの今国会会期の延長は避けられないとの声が一層強まりそうだ。一方、不信任案が出されなければ、与党は法務委採決を経て18日の本会議で改正案を衆院通過させたい意向だ。

 自民党の竹下亘国対委員長は記者会見で、4野党が不信任案を提出すれば「粛々と対応する心積もりだ」と述べ、衆院本会議で否決する考えを表明。同党の古川禎久衆院法務委筆頭理事は、これまでの同委の審議で議論がほぼ出尽くしたとの認識を記者団に示した。

 民進党の山井和則国対委員長は会見で「あらゆる手段を使って、国民の理解が得られていない共謀罪法案の強行採決を阻止する」と強調した。民進党幹部は「17日に与党が改正案を採決しないと確約しない限り法相の不信任案を出す」と明言した。与党側は、16日の法務委理事会でも採決先送りの確約を迫る野党に対し「採決は審議の煮詰まり具合による」などとして、採決強行の可能性を否定しなかった。

 委員会での審議時間は、参考人質疑を除き計26時間余り。与党は採決に踏み切るには30時間程度の審議時間が必要だと判断している。17日の同委で予定される4時間の質疑を終えれば、30時間を超える計算だ。最後の1時間は首相が出席する。

 16日午前の法務委では、弁護士ら5人を招いて参考人質疑が行われた。賛成派は捜査権の乱用の恐れはないと早期成立を求め、反対派は「法体系を覆す」として慎重な議論が必要だとした。【共同】

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