政府は16日、マイナンバーを利用して役所で手続きする際、窓口に提出する書類を従来より簡素化できるようにする時期を、当初予定の7月から3カ月先送りする方針を固めた。国や各自治体は7月、マイナンバー制度を使って相互に情報を参照する仕組みを始めるが、トラブルに備え、当面は書類の提出を続けてもらう。これとは別に、健康保険の分野は準備が遅れ、情報参照を含め全面延期を検討している。

 行政機関のお知らせなどを確認できる個人向けサイト「マイナポータル」の本格運用も、スマートフォン向けシステムの開発の遅れなどで、7月から秋にずれ込む。今年1月からいったん延びており、再延期となる。

 マイナンバーを巡っては、基礎年金番号との連結開始も16年1月から1年延期されており、見通しの甘さを指摘する声も出そうだ。

 マイナンバーは国内に住む全ての人に番号を割り当て、行政機関が情報を管理する仕組み。7月以降、国や全国の自治体が情報連携し、各機関にまたがる個人情報を互いに確認できるようにする。

 これにより、健康保険や児童扶養手当、雇用保険関連などの支給を申請する際、役所の窓口では住民票の写し、納税関連の証明書提出を省略できることになっていた。

 しかし、システムに問題があれば、住民に役所の窓口へ来てもらって書類を確認しなければならない。初期段階は不測の事態も心配されるため、窓口で従来通りの書類提出が必要と判断した。

 健康保険関連は、システムのコストが高く、見直しの必要が生じたため、当分の間は情報連携自体を見合わせる方向だ。【共同】

 ■マイナンバー制度 国内の全住民に12桁の番号を割り当て、国や自治体にまたがる個人情報を効率的に確認する制度。2016年1月に始まった。各種手当の二重給付を防ぐ効果も期待されている。18年1月には、本人の同意を条件に金融機関の預貯金口座と個人番号の連結が始まる。希望者には身分証明書としても使える写真付きの個人番号カードが交付される。番号カードの取得は13日時点で1079万枚。

このエントリーをはてなブックマークに追加