貸し与えられたスーツを着て成人式に臨んだ新成人の受刑者=佐賀市の佐賀少年刑務所

 佐賀少年刑務所(佐賀市新生町)で13日、一足遅れて成人式があった。保護者も同級生もいない場所で、二十歳(はたち)の門出を迎えた5人の受刑者。寂しさや後悔が去来する中、更生を誓う春がある。

 「過去の未熟な考えを深く反省し、社会の一員として立派に立ち直るよう努力します」

 刑務所の一室に設けられた会場で、新成人代表が誓いの言葉を読み上げた。この日のために貸し与えられたスーツを着た受刑者が、緊張した表情を崩すことはない。厳粛な式が終わり、関係者が退出するとその場で、刑務所では普段着にあたる作業服に着替えた。

 佐賀少年刑務所では第2、第4金曜日を、刑務作業を控えて更生教育に集中する「矯正指導の日」と定めている。今年の成人式は、9日の成人の日に最も近い指導日に執り行われた。

 式には、来賓と職員合わせて約10人が出席した。矯正施設の少年院では保護者が出席するケースもあるが、「あくまで刑罰の執行中であり、保護処分の少年とは厳格に分かれる」と幹部職員は説明する。水元伸一所長は訓示で激励した。「成人すれば責任は大きくなる。過去の過ちと真摯(しんし)に向き合い、更生して社会復帰を果たすことが今のあなたたちの責任になる」

 全国に7カ所ある少年刑務所は、主に26歳未満の男性受刑者を収容している。少年事件で刑事処分が必要と判断された未成年もいる。佐賀では全受刑者(13日現在429人)のうち未成年は1%未満で、毎年3人前後が成人式を迎える。

 取材に応じた服役7カ月目の男性は「外で成人式を迎え、両親に晴れの姿を見せたかった」と悔やむ。待ってくれている家族のためにも、再出発を期す。

 別の男性は17歳の時、命を奪う罪を犯し、あがなう日々を送る。「出所できたら、人の役に立つことをしたい。社会の目は厳しいだろうけれど、更生できなければ多くの人を裏切ることになる。二度とつらい思いをさせられない」。言葉に力を込めた。

このエントリーをはてなブックマークに追加