佐賀工業高校に設置されているエアコン。普通教室に2台ずつ整備している=佐賀市緑小路

 文部科学省がまとめた全国公立学校の空調(冷房)の設置状況で、佐賀県は小中学校の普通教室の設置率が47・2%だった。全国平均(49・6%)をやや下回り、沖縄を除く九州で福岡県に次いで2番目に高い。8市町が全室導入した一方、整備が進んでいない地域もあり、自治体間の学校施設環境の差が示された。

 調査は3年に1度実施していて、今年4月1日現在の全ての教室数と冷房設置教室を算出した。佐賀県は前回(2014年)の設置率18・7%から大幅に上昇し、全国では高い方から18番目となった。小学の設置率39・4%に対し、中学は66・0%に上る。

 吉野ケ里町など県内3町の町立小中学と県立4中学は前回調査と同様に設置率100%。今回調査までに多久市、神埼市、嬉野市、江北町、玄海町の5市町も整備を済ませた。

 学校の冷房設置は地方選で争点化するケースもある。鳥栖市は橋本康志市長が選挙公約に掲げ、市議会での議論なども踏まえて14年度に全ての普通教室に備えた。設置率6・1%にとどまる唐津市は、峰達郎市長が1月の市長選で公約に盛り込み、整備に向けた計画を本年度中に策定する方針で調査を進めている。

 設置率が1割に満たないのは5自治体。伊万里市は前回調査では小学校1校が冷房付きの仮設校舎だったため今回は下がり、1・8%になった。市教委は「安全確保の観点から校舎の耐震化工事を優先せざるを得ない」とする。大町町は本年度に小中一貫の1校で空調を整備する。教室数が最も多い佐賀市は18年度までに全ての小中学に設置する計画。

 調査の小中学以外では、特別支援学校で佐賀県の普通教室の設置率が91・7%となり、全国平均81・0%より高く、3年前の前回より3・5ポイント上昇した。幼稚園は保育室の設置率が前回より8・6ポイント増の59・6%で、全国平均59・9%と並んでいる。

■県立高は36校中21校 費用、大半が保護者負担

 佐賀県立高校の空調(冷房)状況は、4月1日現在で全36校のうち21校が普通教室に設置する。義務教育の県内市町立小中学が公費で整備しているのに対し、高校はほとんどが設置から維持管理まで保護者負担となっている。

 県教委によると、普通高は全16校中15校が整備済みで、残る厳木も高校再編で来年度から新しく開校するのに合わせて設ける。それに対し、専門高校は工業高が佐賀工、商業高は佐賀商、鳥栖商、牛津、総合高が神埼清明、多久と全20校中6校にとどまる。

 県立高は2002年度から普通高の補習授業で保護者会が費用と管理責任を持つのを条件に設置が認められ、06年度には通常授業でも使用できるように見直し、10年度から専門高校も設置可能になった。現在は発達障害のある生徒を受け入れる太良を除き、県立4中学を含めて冷房は保護者会で運用しており、設置時の借入金の償還や電気料などで保護者が月額千円未満を負担している。

 本年度は農業高で初めて高志館が設置する。3年生は夏休みも進学の受験対策や就職に向けた補習授業などで毎日通学している状況で、昨秋に保護者や教員から要望が上がり、1、2年生の保護者アンケートでは92%が設置に賛成した。鳥栖工や鹿島実も計画する。

 他県が実施した昨年の全国調査で、九州では沖縄県を除いて全て佐賀県と同様に私費負担(一部公費含む)となっており、全国でも33県に上る。健康管理や教育の平等の観点から公費負担を求める声があるが、教育総務課は「多額の予算を伴う校舎の耐震化や老朽化の対策などがあり、現状では難しい」としている。

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