鳥栖市内のアスベスト(石綿)製品の工場で働いていた労働者ら38人が、国が対策を怠ったため健康被害を受けたとして22日、国に計約1億9030万円の損害賠償を求めて佐賀地裁に提訴した。

 訴状などによると、原告は1958年5月26日から71年4月28日までの間、石綿セメント管を製造する工場に勤務し、中皮腫や肺がんなどを患った元労働者や遺族。粉じんが出た際にろ過をする局所排気装置などが設置されずに健康を損なったと主張している。

 中皮腫を患った夫を13年前に亡くした女性(75)は「30年以上勤務した主人は検査の段階で既に末期と診断された。悪質な環境で働いていた」と訴えた。

 提訴には、肺がんなどを患った15人のうち、元労働者4人と、亡くなった11人の遺族34人が参加した。

 国の救済措置に沿った訴訟で、勤務期間や労働内容など条件を満たせば、和解による賠償金支払いの手続きに入る。弁護団によると、アスベスト関連の集団訴訟は九州では初めてという。

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