自分の記憶や知識がどの程度正しいか客観的に判断する力をサルが持っているとの研究結果を東京大と順天堂大の研究チームがまとめ、米科学誌サイエンス電子版に13日、発表した。図形を覚えさせる実験で、回答に自信がある場合に、自信のないときに比べて多くの報酬がもらえる選択をしていた。

 人に特有と考えられてきた、経験に学び戦略的に行動していくのに必要な能力。自分が何も知らないことを自覚して「無知の知」と唱えた古代の哲学者ソクラテスのように、サルにも自分を客観的に見て“哲学的”な思考をする素養が備わっているかもしれない。

 チームはサルの一種、マカクサルで実験。まず4種類の図形を見せた後に、改めて図形を示し、同じものがあったかを問う記憶テストをした。

 次に報酬に関する2種類の選択肢を用意した。片方は正解した場合にジュースがたくさんもらえるが、不正解だと何ももらえない「ハイリスク、ハイリターン」、もう片方は正誤に関わらず少量もらえるという「ローリスク、ローリターン」の設定にした。

 複数回の記憶テストをした結果、サルは正解した場合に、不正解に比べて明らかに多くハイリスク、ハイリターンを選択した。記憶の正しさに対する自信に応じて戦略的に選んでいることが分かった。

 脳の活動を機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で観察すると、報酬を選ぶ際に大脳の前の部分がよく働いていることが判明。この部分の活動を抑制すると、記憶そのものに障害は起きなかったが、報酬を効果的に選ぶことはできなかった。【共同】

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