少子化で部員不足に悩む運動部が増える中、学校の枠組みを超えた合同チームの大会出場が佐賀県内でも目立ち始めた。大会を主催する県高校体育連盟(県高体連)などが上部組織の方針に合わせて参加規定を見直したためで、今後さらに増えることも予想される。勝利至上主義に陥らないようチェックすることは必要だが、生徒に寄り添い、弾力的な運用で出場機会を与えてほしい。

 「このチームで出場できたことに感謝している」-。6月初旬の県高校総体に太良高との合同チームで挑んだ唐津青翔高サッカー部の主将の言葉だ。両校とも部員が必要な11人に満たず、少子化による部員不足を理由とする合同チームが県高校総体に出場したのは初めて。ラグビー競技には佐賀西と龍谷の合同チームも出場した。

 県高体連などによると、合同チームの県高校総体への参加が論議され始めたのは15年ほど前から。当初は学校の統廃合に伴う合同チームだけを認めたが、少子化によるケースも含めることになった。学校規模が高校より小さい中学では、14年前から部員不足に伴う合同チームを認めており、15日に始まる県中学総体地区大会には、八つの合同チームが出場する。

 ただ、合同チームはあくまで練習に励んできた部員たちに出場機会を与える救済措置であり、厳しい規定が設けられている。参加は個人種目がないサッカー、バレーボールなど一部の団体競技に限られ、合同は2校まで。勝利至上主義に陥るのは本末転倒で、両校の校長から申請を受け、合同練習の実績などを確認し、その都度慎重に認否を決めている。

 県内で運動部に所属している中高生は約3万人。右肩下がりで減る一方、生徒たちが取り組む競技は多種多様で、部の数は人数ほど減っていないという。3年生が引退し、部員数が急減しても希望の生徒がいれば部を維持し、なるだけ要望に応えようとしている。

 8日に開幕した全国高校野球選手権佐賀大会でも、部員が9人に満たない唐津青翔高が近隣の唐津商高から助っ人を得て連合チームで出場した。1年前から定期的に合同練習や試合を重ねて準備してきており、こうしたケースも今後増えていくだろう。

 県内では、少子化に伴う県立高校の再編も進んでいるが、全体的には学校規模が縮小しているところが多く、運動部員の減少傾向も続くことが予想される。練習の質を高めようと、陸上などの競技では日ごろから複数校で合同練習に取り組んでいるところもある。若い時にスポーツに熱中した経験はその後の人生の大きな糧となろう。生徒たちが大会出場という目標に向かい、より情熱を注げるように教育的な配慮を求めたい。(杉原孝幸)

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