18日に佐賀市で開かれた知事と市町長による会合「GM21ミーティング」で、県内20市町の首長が玄海原発3、4号機の再稼働への賛否や注文を述べた。各首長の意見を紹介する。※は文書での意見表明。

 秀島敏行・佐賀市長 福島第1原発の周辺自治体で帰還が進まない状況を見ると複雑な気持ちだ。ただ、原発の代わりに火力発電所の稼働が増えて二酸化炭素の排出量が増えている。新規制基準をクリアした原発は稼働せざるを得ない。

 江里口秀次・小城市長 福島第1原発のような事故が起きれば、地域は壊滅する。使用済み核燃料の最終処分場のメドも立たない状況では市民の理解を得るのは難しい。発電効率の高いコンバインドサイクルを増やしていくべきだ。

 塚部芳和・伊万里市長  電気は現状でも足りている。立地自治体への交付金も合わせると原発は決して安価な電源ではない。地元の県民説明会でも賛成の声は上がらなかった。住民の不安に寄り添う立場として改めて反対と申し上げる。

 樋口久俊・鹿島市長 万が一の際、避難者を受け入れるわれわれも避難を迫られるかもしれない。避難の計画、装備、輸送、道路は整備されているか。市民が納得できる環境が整わなければ、「分かりました」というわけにはいかない。

 松田一也・基山町長 再稼働した場合、次(新設)はないという姿勢を国は示すべき。代替電源を含め、原発の稼働期間が終了した後の長期計画を示してもらうよう働き掛けてほしい。県境をまたぐ広域避難訓練も行う必要がある。

 谷口太一郎・嬉野市長 事故が起きる可能性はゼロでない。再稼働をやめ、即時廃炉にしてほしい。6年たった今も福島第1原発の炉の中で何が起きているのか、誰も分からない。そうした現実を真っ正面から捉えなければならない。

 多良正裕・吉野ヶ里町長 最後は誰が責任を持つのかを国に宣言していただきたい。いち首長が賛否を言える次元の問題ではない。事故時には唐津市民を受け入れる立場だが、町民の避難の必要性も含めて計画の見直しを考えていきたい。

 松本茂幸・神埼市長 再稼働に反対。福島の現状を見る限り、もう元に戻らないように思えてならないからだ。避難計画では唐津市民を受け入れることになっているが、福島の事故に照らすと、地元住民の避難を優先せざるを得ない。

 岩島正昭・太良町長 まずは県外を含め、原発から30キロ圏内の意見を聞いて判断をお願いしたい。事故時に避難者を受け入れるとなると、経路は国道207号しかなく渋滞する。県外の自治体とも連携して避難計画も策定してもらいたい。

 ※橋本康志・鳥栖市長 エネルギー安全保障、経済の国際競争力維持の観点から、安全確実な稼働を前提とした原発の再稼働はやむなしと考える。現時点では政府が進めている電源構成に寄らざるを得ない。

 ※横尾俊彦・多久市長 使用済み核燃料処理などの問題解決は避けて通れず、国が速やかに対策を講じることが不可欠。再稼働は当面やむを得ないと考えるが、限られた情報しか持たない市町に可否を問うのは課題がある。

 峰達郎・唐津市長 個人としては条件付き賛成。市議会は大前提となる安全性はしっかりと確認する方針で、市の立場は市議会の状況を見ながら表明する。離島住民への対応や避難先との連携など、避難計画の手薄さを心配する声もある。

 山田恭輔・江北町長 江北町民の中にも賛否両論ある中で、多くの町民が、県が再稼働についてどう判断するだろうか注目している。判断する際には、具体的な理由や経過を知事自身の言葉で話してほしい。

 水川一哉・大町町長 新規制基準のクリアと安全性の確保を前提として条件付き賛成。避難計画の実効性を高めるには受け入れ先の市町も含めた議論が必要だ。受け入れ市町の避難も計画に盛り込んでいくべき。

 山口隆敏・有田町長 事故を前提に考えると、賛成する者は一人もいない。原発の安全性の議論は専門性が高く、首長が意見を述べることではない。100パーセント安全で、国が責任を持つというところからスタートしないと議論にならない。

 岸本英雄・玄海町長 7日に玄海町として再稼働容認を発表した。容認にあたり、多くの安全に関する条件を国と九電に伝えた。玄海町には国や九電から多くの説明がなされているが、他の首長にもしっかり説明するよう要請したい。

 武広勇平・上峰町長 基本的には条件付き賛成だが、国はエネルギー政策の方向性をしっかり示すことが大事。将来は原発をなくしていくことがはっきり示されるよう、県としても国に伝えることが重要だと感じる。

 田島健一・白石町長 条件付き賛成。原発と温暖化は地球規模の問題だ。技術力を上げ、国の責任で安全性にお墨付きを出し、それを知事が判断できる材料にすることが必要。代替エネルギーの開発にも、もっと国レベルで取り組むべき。

 ※小松政・武雄市長 原発に依存しない社会が望ましいが、エネルギー政策は国民生活の安全保障。コスト面も考慮し、安定した電源供給は重要だ。安全対策の確保を条件に再稼働はやむを得ない。UPZ圏内の地元同意は必要。

 ※末安伸之・みやき町長 知事の判断を尊重する。

このエントリーをはてなブックマークに追加