大分県日田市で豪雨被害を受けたビニールハウス=11日(共同通信社ヘリから)

 九州北部の豪雨は、日本三大ネギや、海外でも人気が高い高級ナシの産地を抱える福岡県朝倉市や大分県日田市などに大きな被害をもたらした。県や地元JAは農作物のほかビニールハウスといった施設の被害状況を調べているが、全容把握に時間がかかっている。産地への影響が深刻化すれば、出荷減による農産物の価格高騰などにつながる可能性もある。

 「被害が甚大だ」。群馬県の下仁田ネギや兵庫県の岩津ネギと並び知名度の高い「博多万能ネギ」の収穫や出荷に影響は避けられず、JA関係者は肩を落とした。朝倉市は博多万能ネギの最大産地。JA全農ふくれんによると、ハウスが冠水したり、土砂やがれきが流れ込んだりしたという。

 万能ネギの昨年の出荷額は朝倉周辺で約23億円。空路で東京や大阪をはじめ全国に出荷され、東京の卸売市場では小ネギ取扱量の約4割を占めるという。福岡大同青果によると、例年夏ごろ消費が増えるため、流通面でも打撃となりかねない。

 日田市小野地区のナシ園では、土砂崩れの影響で「収穫量が半分くらいになりそう」(関係者)。同市は大型品種「新高」の産地として名高く、台湾など海外にも輸出。これから収穫期を迎えるため大同青果の担当者は「中元シーズンに影響が出ないか心配だ」と気をもむ。

 被災地には大量の土砂が流入した水田も多い。質が悪化した農地では土づくりからやり直さなければならず、復旧には時間がかかる。JAおおいた日田支店の担当者は「水に漬かったことで、品質が低下するかもしれない」と懸念する。

 山本有二農相は11日、朝倉市を訪れ、被害状況を約20分間視察。その後、福岡県庁で小川洋知事と会談し「被災農家が困難を乗り越え一日も早く経営を再開できるよう、できることは全てやる」と述べた。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加