子どもたちに「食前のことば」についての教えを説く浄林寺の住職・日野恵一さん(右)=鹿島市高津原の浄林寺

■関西で10年修行

 関西で修行を積んだ福岡県出身の住職日野恵一さん(41)が、岩松院=鹿島市=の住職杉町尚俊さん(47)が兼務していた同市の浄林寺で地域に根ざすことを目指して奮闘している。全ての人に気持ちを込めて接する姿勢を貫き、「地域に寄り添う住職になる」ことを誓う。

 日野さんは、祖父の山口幸彦さんが住職だったこともあり、高校卒業後、佛教大学(京都)に進学した。住職になるための資格を取ったが、実家の跡取りが決まったことで、企業への就職の道を選択。しかし、内定を受けていた大学4年の秋に腎臓を手術した。

 「会社に迷惑は掛けられない」と内定を辞退。そんな時、大学の恩師から「仏の道に戻らないか」と声を掛けられた。この言葉に救われ、大阪や兵庫で約10年間の修行を経て、京都で知り合った杉町さんの紹介を受けて32歳で浄林寺の住職として一歩を踏み出した。

 杉町さんは「新しい風を吹き込む中にも、昔ながらの良さをしっかりと残していってほしい」と期待。浄林寺の筆頭総代を務める迎雅〓嗣(まさとし)さん(75)は「熱心な和尚さん。家族総出でお墓を掃除してくれるなど安心感がある」と信頼する。

 日野さんは、子どもたちに命の大切さを伝える「こども信行道場」や住職と身近に会話の場を設ける「花草会(はなそうかい)」などを開き、地域に寄り添う活動を続けている。「昔は寺子屋など、お寺は地域の寄り合いの場だった。地域のためにいろんなことができれば」と意欲を見せている。

〓は王ヘンに堂の土が田

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