日銀は16日、1月の地域経済報告(さくらリポート)を発表し、全国9地域のうち、東北、関東甲信越、東海の3地域で景気判断を引き上げた。米大統領選後の「トランプ相場」で株高や円安が進んでおり、消費や生産が回復していることが理由。黒田東彦(はるひこ)総裁は報告発表に先立って開かれた支店長会議で、国内景気について「緩やかな回復基調を続けている」と説明した。【共同】

 他の6地域は据え置いた。同時に3地域以上の景気判断を引き上げるのは、2015年4月以来、1年9カ月ぶり。ただ、トランプ次期米政権の政策が不透明な中、先行きを懸念する声も多く寄せられたという。

 判断を引き上げた3地域では、いずれも個人消費の回復が後押しとなった。昨年10月の前回報告時点にみられた天候不順による悪影響が薄れたことや、株価の持ち直しが主因となった。

 新興国経済の減速懸念が和らいだことから、東北、関東甲信越では生産の判断も引き上げた。中国を中心とするアジア向けの電子部品や半導体製造装置、建設機械などの輸出が増加した。

 個別の判断項目では、台風被害による生乳生産の減少や海水温上昇による魚介類の不漁で北海道の生産を引き下げた。九州・沖縄の公共投資も熊本地震からの復興関連事業の人手不足による遅れなどから判断を引き下げた。

■九州・沖縄「緩やかに回復」

 16日の日銀支店長会議で、秋山修福岡支店長は九州・沖縄の景気について「緩やかに回復している」と報告し、熊本地震前の水準に戻した昨年10月の前回判断を据え置いた。

 項目別では、設備投資と個人消費、生産、雇用・所得、輸出の5項目を据え置いた。個人消費は、国が旅行費用を補助する「九州ふっこう割」の割引率低下により観光の回復ペースが鈍化したものの、被災地での家電などの買い替え需要は続いており「全体として回復しつつある」とした。

 住宅投資は、被災地の住宅再建が進んでいることで「増加している」として上方修正した。公共投資は一部の工事の遅れにより「持ち直しの動きが一服している」と判断を引き下げた。

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