不明水の原因特定に向け、調査の方法を確認する江北町下水道維持管理組合と町職員=11日、杵島郡江北町山口

■特別予算確保 本格調査へ

 杵島郡江北町で、下水道にどこからか流れ込む汚水以外の水「不明水」が問題になっている。大雨のたび下水道の流量が増えて処理施設の能力を超え、町民から「排水が流れない」と苦情も寄せられている。町は「これ以上不便をかけられない」として7月から、大雨の日に下水管を点検する原因調査を始めたものの、最終的に不明水をどこまで封じ込められるかは不透明だ。

 九州北部を豪雨が襲った今月5~7日、江北町環境課の職員らは、公共下水道の中継ポンプ場に泊まり込みで対応に当たっていた。下水道を平常の倍以上で、処理場の能力をも超える量の水が流れていたため、処理場や中継ポンプ場への流入量を調節する必要があった。町民からは「トイレの水が流れない」という通報が複数寄せられ、町は一部地域に排水を控えるよう呼び掛けざるを得なかった。

 「大雨時に下水管の水量が大幅に増える事態はここ何年か続いている。生活排水以外の水が、どこかで混ざっている可能性がある」と環境課。(1)住宅内などの雨水管が下水管に誤って接続している(2)大雨時に冠水するマンホールなどがある(3)下水管に割れた箇所がある-の三つを要因とみている。

 調査は、特に不明水が多いとみられる上小田と佐留志の2地区を対象に、大雨時に住宅敷地内の公共汚水ますを開け、住民が水を使っていない状態で水が流れてこないかをチェック、マンホールの劣化なども確認する。町は本年度の下水道事業特別会計予算に調査委託料2045万円を組んだ。実際の調査は町内の建設業者10社で新設した町下水道維持管理組合が担う。

 県内では神埼郡吉野ケ里町が2010年度、今回の江北町と同様の手法で不明水の調査をしたが、住宅内の雨水管の誤接続やマンホールの劣化など、はっきりした原因は確認できなかったという。吉野ケ里町環境課は「必ず原因が見つかるとは限らず、以後は調査の予算化にも二の足を踏んでしまう。江北町の成果に注目したい」と話す。

 日本下水道協会(東京)の技術指針課は「誤接続が分かったとしても、再工事の費用を自治体だけで担うのか、個人にも負担してもらうのかで折り合いがつかないケースもあると聞く」と、原因究明後の難しさも明かす。

 江北町環境課の武富元・課長補佐は「原因がはっきりするかは分からないが、もし緊急に対策が必要な箇所が見つかれば、年度内にも対策工事を予算化したい」と述べた。

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