原子力規制委員会は12日、定例会合を開き、国が9月に実施する九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の事故を想定した原子力総合防災訓練の計画を了承した。半径30キロ圏には人の住む離島が17あり、全国の原発で最も多い。国の訓練は東京電力福島第1原発事故後5回目で、内閣府は「今回の特徴は離島の対応になる」としている。

 内閣府が説明した計画の概要によると、佐賀、福岡、長崎の3県8市町と内閣官房や規制庁などの政府関係機関が参加する。震度6強以上の地震と原子力災害の複合災害を想定し、波浪警報が出され、離島から海路での避難が困難になるケースも検討する。

 訓練は昨年12月に国が了承した避難計画を検証する形で進める。原子力防災担当副大臣が現地対策本部長として佐賀県に派遣され、テレビ会議システムなどを使って政府機関と現地の情報共有や意思決定、住民避難の実動訓練をする。

 規制委の田中俊一委員長は会合で、原発の周辺住民が避難の実効性を不安視している現状を踏まえ、「原発は震度6程度で事故に至ることはなく、自然災害と同時に重大な状況にはならない」と強調。「今回の訓練を皮切りに、命を守るにはいかに屋内退避が有効であるかを十分に説明した上で進めてほしい」と訴えた。

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