煮た大豆をつぶす作業を夢中で進めるデイサービス宅老所「芽吹き」の利用者ら=嬉野市嬉野町

 嬉野市嬉野町のデイサービス宅老所「芽吹き」が、利用者のリハビリやレクリエーションを兼ねてみそ作りに取り組んでいる。各家庭で作っていた昔の経験と知恵を生かして作ったみそを、ゆくゆくは地域にお披露目し、利用者に社会参加の実感を得てもらおうと狙っている。

 毎月1回程度、利用者のうち10人前後で仕込み作業に当たる。今月も頭に三角巾を着け、ビニール手袋をした女性と中林正太社長らスタッフが取り組んだ。米麹8キロに塩と煮えた大豆4キロを混ぜる。煮えた大豆をつぶす作業は特に力が要り、「昔は臼ときねでつきよったよ」「こりゃあした筋肉痛ばい」と笑い合った。

 みそ作りを始めたのは昨年夏。「デイサービスには『介護される人が行く所』という見えない壁がある」と中林社長は言い、「利用者が支えられるだけでなく、地域を支えられる存在だと示したい」と考えていたところ、かつて利用者が家庭でみそを手作りしていた経験に着目。それぞれの作り方を参考にレシピをまとめた。宮崎静子さん(88)=嬉野市=は「昔はかめでみそもしょうゆも作りよったよ。作ったみその下にたまる汁を餅に付けて食べるのがおいしかった。懐かしい」と目を細める。

 中林社長は「完成後は地域で『みそ汁会』やみそ作り体験会を開きたい。利用者にとって当たり前だったみそ作りのノウハウに価値があることを実感してもらい、生きがいにもつながれば」と期待している。

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