円すい形の建物が九州電力玄海原発1号機(手前)と2号機=東松浦郡玄海町

 佐賀県と玄海町が12日、安全協定に基づく「事前了解」を伝えたことを受け、九州電力玄海原発1号機(東松浦郡玄海町)の廃炉作業がスタートする。九州初の作業は30年近くかかる長丁場。現時点で比較的放射能レベルが高い廃棄物の埋設処分先は決まっておらず、課題は山積している。

 1号機は出力は55万9千キロワット、累計運転年数は39年5カ月だった。福島第1原発事故後、新規制基準に沿った安全対策には巨額の費用が必要になるため九電は2015年に廃炉を決めた。

 作業は大きく4段階で実施される。第1段階は21年度まで、設備の汚染状況を調査するほか、薬品を使って配管などに付着した放射性物質を除去する。汚染されていない建屋やタービンの解体・撤去も始める。

 第2段階の22~29年度は、放射能が比較的低い設備を解体し、使用済み核燃料の搬出を終える。第3段階の30~36年度は比較的放射能が高い原子炉容器や蒸気発生器を、第4段階の37~43年度に原子炉建屋などを解体・撤去する。

 各段階で、廃止措置計画を変更して国の認可を受ける必要が生じた場合、県と玄海町の事前了解が再度求められる。

 放射性物質に汚染された廃棄物は推定約7千トン。半数以上は除染するなどして一般廃棄物と同じ扱いができるが、制御棒や原子炉内の構造物など一部の設備は地下深くに埋設する必要がある。他の原発でも処分先は未定で、九電は「搬出が必要な時期までに廃棄事業者を確定させる」としている。

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