2008年8月、米ボルティモアでのイベントで演奏するチャック・ベリー氏(ロイター=共同)

ギターを弾きながら「ダックウオーク」を披露するチャック・ベリー氏=1980年4月(AP=共同)

 ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズ…。18日死去したチャック・ベリー氏は、ロック界の名だたる後進が教科書として仰ぎ見る存在として君臨してきた。90歳にして新アルバムの発売も計画、時代を超えた「生きる伝説」だった。

 英国のリバプールを飛び出し、1960年代初頭にドイツの港町ハンブルクで巡業したビートルズが「チャック・ベリーの曲を教科書のようにいつも演奏していた」と、ハンブルクのラジオ局関係者から聞いたことがある。

 「ロール・オーバー・ベートーベン」や「ロックンロール・ミュージック」をシャウトしていたジョン・レノンが「ロックンロールの別名」として「チャック・ベリー」を挙げたのは有名な話だ。

 黒人がバスや食堂で白人と同席できない時代に「ゴー・ジョニー・ゴー」(ジョニー・B・グッド)と、ギター少年の純粋な夢を歌いあげた。少年は「黒人」を想定していたといわれる。

 一方で、ベートーベンという古典音楽の象徴に勝負を挑むような内容の音楽を打ち出し、抵抗と反逆というロックの原点をつくり上げた。原点は現在も生き続けている。

 「ジョニー…」は「地球の音」としてレコードに収録され、宇宙探査機ボイジャーに載せられた。時空をも超えて「ロックの伝説曲」として輝きを放っている。(ニューヨーク共同=永田正敏)

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